この11月1日に予定されていた秋の園遊会は三笠宮さまの薨去もあり、中止になった。しかし、今回の園遊会は皇太子妃雅子さまが和服を着る『和装』ということで、そのご参加に関心が集まっていた。
園遊会での女性皇族の「ドレス・コード」は、事前に皇后美智子さまがお決めになることになっているようだ。最近では皇后美智子さまが、「洋・洋」の次は「和・和」、その次は「洋・洋」とローテーションを決められていて、この秋と来春は「和装」となっていたのだ。もし雅子さまが「和装」で参加されれば13年ぶりの出来事となるはずだった。
「13年前の秋といえば、愛子さまが2歳のお誕生日を迎える前でした。
雅子さまが長期療養を発表される直前だったので、今から振り返ると、最後の力を振り絞って、和装で参列されていたのだと思います」(当時を知る記者)
雅子さまはご負担を考慮して、この2回は園遊会を途中でご退席。春には、ご歓談中の両陛下に挨拶をしてから退席される場面も見られた。
「やはり、会の途中では混乱が生じるおそれもあることから、今回からは両陛下には冒頭部分で挨拶されることで検討が始まっていました。
つまり、雅子さまは、今回の園遊会出席に意欲を持たれていたということだと思います」(東宮職関係者)
そう前向きでいらした雅子さまを励ますため、美智子さまはさらなる「おはからい」を検討されていたという。
「美智子さまは、雅子さまが秋の園遊会に参加しやすいように、洋装でも可能とするか、和装と洋装の皇族を分ける配慮をされる予定だったと聞いています」
そう打ち明けるのは、宮内庁関係者。
「10月13日に行われた来日中のベルギー国王夫妻主催のコンサートのときも、美智子さまと秋篠宮家の3人の女性皇族は和装でしたが、雅子さまと彬子さまや久子さまらは洋装でした。
これは、雅子さまが洋装になりやすいようにと、美智子さまの思し召しだったそうです。今回の園遊会も、同様の気遣いをされるつもりだったようです」(同・関係者)
前2回の園遊会で雅子さまが途中退席することも、陛下と美智子さまの特別のご配慮があってこそ。
「美智子さまとしては、雅子さまに次の皇后として、園遊会という重要な行事に出てもらいたいお気持ちが強かったからだと思います」
と話すのは、皇室を長年取材するジャーナリストで、文化学園大学客員教授の渡邉みどりさん。
「そもそも美智子さまは以前、迎賓館で行われる国賓の歓迎行事の際の女性皇族の服装を、和装から洋装に簡素化されたことがありました」
渡邉さんがそう指摘するように、陛下とともに美智子さまは、皇室の守るべき伝統は守りながらも、“新しい風”を吹かせてきている。
その姿勢は、数年以内に新しい皇后となる雅子さまへの「思いやり」にもなっているようだ。
「ここ2回連続で、雅子さまは園遊会に参列されているので、和装だから不参加にならないよう自信をつけてもらうお考えもあったのではないでしょうか」(渡邉さん)
来春の園遊会も「和装」となるが、今回の「ドレス・コード」を適用し、雅子さまを励まされるに違いない美智子さま。
雅子さまも、美智子さまのそんなお気持ちに応え、より元気な姿を見せてくださるだろう。