最終回まであと1か月となったNHK大河ドラマ『真田丸』。
「三谷さんは'04年の『新選組!』以来の大河になりますが、ラジオや、大河ドラマの特集記事でもずっと“真田”とおっしゃっていました。5年くらい前でしたか、“大河をやりたくなって、気分が高まってきました”と話されて。僕らも“ということは真田ですよね”と返したら“そうです!”と。三谷さんは、ずっとほかの人(脚本家)が真田をやらないでほしい、と思っていたんでしょうね(笑)」
全50回を書き上げた三谷幸喜との秘話を明かした制作統括の屋敷陽太郎チーフプロデューサーに、『真田丸』の“キモ”を直撃!
――信長など有名なキャラクターがナレーションで死んでいく“ナレ死”には驚きました!
「あそこまで話題になるとは思っていませんでした(笑)。これまでの大河でも、たくさんナレーションで死んでいるんですけどね……。今回は、ナレーションが有働アナだったということも大きいかもしれません。それにしても、ネット上の方ってうまくネーミングしますよね。ナレ死もそうですけど、佐助のひと言で終わった関ヶ原を“超高速関ヶ原”と言ったり。いつもびっくりしています」
早くも“真田丸ロス”の人たちに朗報!?
――映像技術の進歩からスタジオ撮影が中心でしたが、真田丸の攻防は満を持して(!?)大規模なロケを行ったそうですね。
「真田丸を作ってのロケは、千葉県内で行いました。撮影当日は幸村の地元・上田からもエキストラの方が30人ほど参加されました。バスで早朝、現場に入っていただいたのですが、扮してもらったのは真田ではなく徳川勢の兵隊(笑)。それでもみなさん、うれしそうに戦っていただけました」
――主人公・幸村を演じている堺雅人さんの撮影現場での様子はどんな感じでした?
「どんなときでも気負いがないというか……。ご本人の中には、きっといろいろあるんでしょうけど、それを絶対に共演者やスタッフに感じさせない。いつも自然体のままで現場にいらっしゃいました。
脚本の三谷さんもそうですが、おふたりとも自分に相当、自信と余裕があるんだと思います。そうでなければ、周囲からの意見やリアクションをあれだけ柔軟に受け止めながらも、自分の世界を崩さないことはできないでしょう」
――放送はあと約1か月で最終回を迎えます。早くも“真田丸ロス”を心配する声もありますが、スピンオフの予定は?
「企画書、書いちゃいましょうか(笑)。最近は“超高速関ヶ原”のあいだを見たいとか、お手紙やメールをたくさんいただきます。本当にうれしいことですが、堺さんと三谷さんのスケジュールが合うのが何年後になるんでしょう……。もし実現したとしても、三谷さんのことだから、どんな変化球のスピンオフになるかは僕も想像がつきません(笑)」