11月26日(土)公開の映画『疾風ロンド』で共演する阿部寛さんと大島優子さんが、2人の意外な関係性や撮影秘話を語ってくれました。
──おふたりは、これまで共演経験はありますか?
阿部 映画では1回ありましたが、これだけガッツリは初めてだよね。
大島 そうですね。その前に子役のときも共演させていただいていて(※)。阿部さんとは現場ですれ違ったり、お見受けする機会が約10年おきにあるんです。なので、10年に1度のお方って印象です(笑)。
※ドラマ『アンティーク~西洋骨董洋菓子店~』(’01年)、映画『伝染歌』(’07年)で共演
阿部 (笑)。僕は最初、あれだけのグループ(AKB48)でトップを取られた方だから、すごくガードの固い子なのかなって勝手に想像していたんです。でも全然違って、撮影でお世話になった地元の人とすぐ仲よくなったり、気がついたらお宅にお邪魔して一緒にご飯を食べてて(笑)。すごく気さくだし、人との間に壁をつくらない人なんだなって。意外でした。
大島 はい、撮影中はすっかり地元の子になってました(笑)。
──野沢温泉での撮影はいかがでした?
阿部 僕より10日以上前から入って撮影していたから、そのぶん期間も長かったし大変だったでしょ?
大島 阿部さんのほうがもっと大変でしたよね。それまで天気がいい日が続いていたんですが、いらっしゃったら急に天気が崩れちゃったんです(笑)。
阿部 そう、初日がエベレスト(※)より寒くてビックリしたよ(笑)。
※2016年3月公開の映画『エヴェレスト 神々の山嶺』に出演
大島 前日、“阿部さん来るまで雪がもつかな”って、みんなで話していたんですけど、いらっしゃったと同時に大雪。一気に50cmくらい積もって、阿部さんのおかげです!(笑)。
阿部 雪男なので(笑)。本当、なぜか降らせるんですよね。
──阿部さんはスキー、大島さんはスノーボードのシーンもありました。
阿部 中学生のときに学校の行事でやって、大学時代に友達と行ったきりだから30年ぶりくらいでしたね。
大島 そうなんですね。
阿部 撮影1か月前に共演の大倉(忠義)くんと室内スキー場に練習しに行ったんです。そうしたら身体が覚えていてボーゲンくらいは滑れて。吹き替えの方も用意していただいたんですが、スキーが下手な役だったので、素でそういう演技ができるなって(笑)。なので、滑るシーンは自分でやりました。
大島 私は9歳からスノボをやっているので、撮影前に1度プライベートで練習をしました。
阿部 まさか、カメラ持って撮影とかしてないよね?
大島 アハハ。さすがに私の目線のシーンはないですが、滑りながらのアクションシーンとかほとんど自分でやりました。
──野沢温泉といえば、13の外湯が有名だそうで、満喫しましたか?
阿部 プロデューサーから目立つからって外に出ないように言われてて(笑)。だから、外湯に入れなかったので、最終日に泉質を確かめるため触りに行きました。一応、そういう仕事(『テルマエ・ロマエ』)もしていたので(笑)。“熊の手洗い場”って温泉が一番よかったです。
大島 私も一番そこが好きでした!
阿部 泉質がツルツルしてこれはすごいなって。いろいろ巡ったりした?
大島 13か所コンプリートを目指しました(笑)。最初、“熊の手”ってネーミングにひかれて行ったら、あまりにもよくて外湯の魅力にハマって。結局、7か所しか回れなかったので、残り6か所はプライベートで制覇します!
──では、次回共演するとしたら、どんな役でご一緒したいですか?
大島 この流れからいくと、今度お会いするのは10年後ですか?
阿部 10年! ヤバイな〜(笑)。
大島 おいくつですか?
阿部 62歳だよ。
大島 私は38歳。アラフォーになってますね(笑)。
阿部 学園ものとかいいんじゃない。僕が校長先生で大島さんが教師みたいな(笑)。
大島 それもいいですね! この作品の最後のほうで、阿部さんが歩いているシーンがあるんですが、それがすごくカッコいいんです。
阿部 それは、あの場面で流れたBGMがよかったから(笑)。
大島 (笑)。でも、演じられた栗林さんは、それまでダメなお父さんだったのが、あの瞬間から何かが変わってすごくカッコよく見えるんです。それは阿部さんが演じられたからだと思いますし、10年後も渋い阿部さんが見たいです。私はそれを見守る役で、ぜひ共演よろしくお願いします!(笑)。
<作品紹介>
『疾風ロンド』
スキー場を舞台に、医科学研究所研究員が盗難されて雪山に隠された危険な生物兵器を、七転八倒しながら捜索する東野圭吾原作の“笑撃”サスペンス作。阿部寛は医科学研究所の主任研究員で、ちょっとダメな1児の父である栗林和幸役に。大島優子はスノーボードクロスの選手で栗林の捜索に協力する瀬利千晶役に挑戦。11月26日(土)全国ロードショー。
★2人が語る『疾風ロンド』のココがキモ!
阿部 『サラリーマンNEO』や『あまちゃん』などを手がけた吉田(照幸)監督が東野さんの原作をどう料理するのかっていうのが楽しみで。最初は、“自分の世界しか認めない”みたいな方かと思いましたが、臨機応変に可能性を求めていく方だったんです。
完成した作品を拝見したら、想像以上にスピーディーだし、いろんな要素が詰まっていて、あっという間に見れてしまいます。狙いどおりのエンターテイメント作品になっていたので、“さすが吉田監督”と思いました。
大島 サスペンスだと思って見たら間違いで、ぜひ“笑撃”サスペンスだと思ってご覧いただければと思います。コミカルな要素が絶妙に詰まっているんですよ。
あと、演じた千晶はスノボ選手に限界を感じて、“この先もこのままでいいのかな”って葛藤を抱えているんです。それって私たち“アラサー世代”になると、多くの人が抱える悩みのひとつで、すごくわかるなって。女性の方はそんな千晶に共感しながらご覧いただくのもいいかと思います。