今年、テレビ番組でKinKi Kidsの堂本光一が「寝るときに聴いている音楽」として紹介し、話題となったのが“528ヘルツ”の周波数。
日本でも人気のアメリカのアーティスト、ファレル・ウィリアムスがアディダスとコラボしたコレクションでも、528ヘルツがデザインされていました。
いまや世界的にも注目され始めている528ヘルツですが、まだまだ「それはいったいなに?」と知らない人のほうが多いでしょう。
実は昨年、「第57回 輝く!日本レコード大賞」で企画賞を受賞したのも、この528ヘルツのアルバムでした。
528ヘルツの周波数は、自律神経を整えてくれ、不眠、イライラ、便秘、肌あれなど、自律神経が乱れることで起こる心身の不調を改善してくれると言われています。
作曲家・ACOON HIBINOさんを直撃
レコード大賞受賞アルバム『心と体を整える〜愛の周波数528ヘルツ〜』『自律神経を整える音の処方箋〜愛の周波数528ヘルツ〜』をリリースした作曲家・ACOON HIBINO(エイコン・ヒビノ)さんも、自身の不眠症が治ったことから、528ヘルツを広めるようになったそう。
「もともと私は音楽フェス企画などの仕事をしていましたが、多忙によるストレスで15年ほど不眠症の状態が続いていました。睡眠薬が手放せず、すっきりと眠れないのはとてもつらいものです。でも、528ヘルツの楽曲を扱い始めてから、薬がなくても眠れるようになってビックリ。それから“この周波数はとても身体にいいのでは?”と思い528ヘルツを研究し、楽曲を作って、演奏会をするようになったんです。
すると、演奏を聴いたみなさんから“涙が流れて心がほぐれた”“体調がよくなった”“イライラしなくなり、怒らなくなった”といった報告がたくさん届きました。528ヘルツをもっと多くの人に聴いてもらいたいと思うようになり、アルバムを作ったところ、レコード大賞もいただくことができました」(ACOON HIBINOさん、以下同)
JALとANAの機内音楽としても採用
528ヘルツは他の周波数と、どこが違うのでしょうか?
「現在、国際標準の周波数は440ヘルツです。私たちがふだん聴いている音楽はこの周波数で、交感神経を上げる作用があると言われています。一方で、528ヘルツは交感神経を下げて、副交感神経を上げてくれる周波数。DNAを修復する音楽という人もいます。そのため、528ヘルツの音楽を聴けば、リラックスでき、よく眠れるようになり、不調が改善していくのでしょう」
すでにJALとANAの国内線、国際線の機内音楽としても採用されており、機内で眠れない人もこれを聴けばぐっすり!? さらに赤ちゃんや、犬や猫などのペットにも効果てきめんだそう。
「赤ちゃんや動物は敏感なので、“528ヘルツの曲を流すとすぐ寝ました”といった話もよく聞きます。犬40匹に528ヘルツの音楽を聴かせると、心拍数と呼吸数が低下し、リラックス効果がみられ、鳴きやんだり、落ち着いて寝始めるという臨床結果もあります。留守中に、このCDを流しておくことで、飼い主がいないときでもワンちゃんが落ち着いて過ごすことができるようになるでしょう」
すでに『528プリモトーンオルゴール おやすみあかちゃん』『いぬのやすらぎ』というアルバムが発売されており、来年は犬の夜鳴き対策のアルバムが出るそう。
また、不眠以外にも、「便秘が治った」「肌がきれいになった」「体温が上がった」「仕事に集中できる」「忘れていた記憶がよみがえった」といった声が続々と届いているそう。
医学的根拠を確立する研究はこれから
自律神経に詳しい、さかえクリニックの院長・末武信宏氏は、音楽の自律神経への影響を次のように解説します。
「音楽には大きくなったり小さくなったり、強くなったり弱くなったり、連続性ではあるが揺れ=『ゆらぎ』があります。このゆらぎに含まれる波動を周波数fで表すと、生体リズムや自然界には1/fのゆらぎがあるとされています。音楽は聴覚によって脳へ働きかけ、『ゆらぎ』によって自律神経経路へ影響を与えることが知られています」
なかでも528ヘルツは、なぜ心と身体を整えてくれるのでしょうか?
「残念ながらその詳細なメカニズムと理由はいまだ不明です。しかし、人類の経験から528ヘルツの周波数の音が人体へ影響を与えることがわかっています。医学的根拠はまだ確立されていませんが、特に副交感神経レベルを向上させる可能性が予想されます。私が非常勤講師を務める順天堂大学医学部・小林弘幸研究室でも528ヘルツの生体への影響の研究が予定されています」(末武先生、以下同)
さらに専門家によって528ヘルツによる認知症の改善効果について研究も進められており、クリニックのBGMとして採用するところも増えているそう。ホテルや温泉施設、リラクゼーションサロンなどでも、528ヘルツが流れているところが多いので、みなさんも知らないうちに癒されているかもしれません。
聴くときはヘッドホンではなく、スピーカーで
528ヘルツの周波数は水に作用して、水の分子構造を均一化させて整えるとも言われており、面白い実験結果もあります。
「500円程度の安いワインを置いた場所に528ヘルツの音楽を流してみました。このワインと、528ヘルツを聴かせていない元のワインとを飲み比べすると、明らかに味が違うんです。528ヘルツを聴いたワインは、味が丸くなって、確実においしく感じられる。そもそも人体の70%は水分といわれていますから、体調が整うのは、その水分に作用するのかもしれません」
この528ヘルツの音楽はいつ、どのように聴けば効果的なのでしょうか?
「リラックスできるので、やはり眠る前に聴くのがおすすめです。身体全体に音を浴びせたいので、ヘッドホンではなく、スピーカーから流すようにしてください。また、車の中で眠くなっては困るので、運転中は528ヘルツを流さないようにしてください」
12月には大阪に「528ルーム」も誕生し、波動スピーカーから流れる528ヘルツの音楽を聴いているだけで心と身体が整う空間が実現するそう。