“I have a pen, I have an apple〜♪”

 このフレーズを今年、あなたはもう何回耳にしましたか? '16年8月に動画投稿サイトにアップされるや、またたく間に世界中に拡散され、ドナルド・トランプ次期アメリカ大統領の孫娘までマネをしているという『ペンパイナッポーアッポーペン』。

 日本だけでなく海外でも大ブレイク中のピコ太郎。そんな彼が言いたい放題の白熱インタビュー。これまでベールに包まれてきた(?)、そのプライベートを探ってみると──。

僕は丸顔なんで、全然違うなと

「再生数がランキング1位となってまして、震えが止まらなくて逆にゆっくり見えるぐらいでしたね。11月11日に台湾に行って、ものすごく歓迎されまして、ああいうのを間近に見てようやく今ちょっとずつ消化している状態です」

 YouTubeのミュージックチャートで3週連続世界1位、累計再生数が8500万回を超えている現在の状況は、やはり本人も予見していなかったようだ。ちなみに彼をプロデュースしているのが、お笑い芸人の古坂大魔王。そうはいっても、近くで見れば見るほど『ボキャブラ天国』(フジテレビ系)でブレイクした底ぬけAIR-LINEの古坂とピコ太郎はそっくりだけど……。あえて2人の出会いを聞いてみる。

「千葉の某公園でお客さんの前では恥ずかしいものですから壁に向かってライブをしていたところ、古坂さんが来て“お前、そっち側見てやってると、壁の反射で声が遅れるぞ”と、“前見たほうが直だよ”というふうに言われたのが最初の出会いですね。顔が長いなというのも最初の印象でしたね。僕は丸顔なんで、全然違うなと」

古坂大魔王とピコ太郎

 いやいや、輪郭まで瓜ふたつですから!! 5年前、古坂の単独ライブに彼がゲスト出演したことで本格的に仕事へと発展していき、ついにPPAPが誕生する──。

「古坂さんの家で曲を作っておりまして、実はコントで使っていた曲でテクノ体操というのがありまして、このトラックを作り直したものなんです。そして歌詞を考えようということになりまして、ペンを持っていました。なんとなく I have a pen。次に、古坂さんが青森出身なんでリンゴが置いてあったんで、じゃあ I have an apple。

 いいじゃない、さぁどうする? となり、刺す! ウーン! applepen。できたね。パイナップルに関しては、缶詰のパイナップルがあったので、それをウーンと。アップルペンとパイナップルペンができたけど、それをウーンと。ペンパイナッポーアッポーペン。そしたら古坂さんが“ビンゴ!”。それが事実でございます」

全部聴いても40分ぐらいですね

 1度耳にしたら忘れられないキャッチーさは、日本よりもむしろ海外で火がつくのが早かった。とりわけ、カナダのミュージシャン、ジャスティン・ビーバーがTwitterで取り上げたことが最大の要因といわれている。

「そうですね。あれを僕らは、“ジャスティンインパクト”と呼んでおります。それからの流行りを“ジャスティンフィーバー”と呼んでおります。驚き桃の木20世紀でした。ついつい飼っている猫もワンと言っちゃうぐらいビックリしましたよ」

 そしてなんと! CDアルバムのリリースまで決定したというのです。

「12月7日ですね。カラオケを入れて25曲を収録して、ミュージックビデオも全曲あります。YouTubeにも上がっていない、ライブでもやっていない曲も入っております。PPAPはピコ太郎の陽の部分なのですが、陰の部分も入っている1枚となっています。すべて1分ぐらいで終わりますので、全部聴いても40分ぐらいですね」

12月7日に発売予定の1stアルバム『PPAP』。カラオケ含め25曲が

 YouTubeを飛び出してCD&DVD、これからは地上波テレビでの活躍もさらに増えそうだけど、

「紅白歌合戦は出たいですね。出たくない番組は事件のニュース番組。やっぱり事件にはなりたくないなと思います。私が鳥をボウガンで撃ったりしちゃいますと事件になってしまいますから」

──では、『徹子の部屋』(テレビ朝日系)のようなトーク番組は?

「徹子さんに会えるならば、いつでもお会いしたいです。髪の中のアメをもらいたいですね。架空のペンで徹子さんの頭上のオニオンを刺してみたいなと思っております」

次はオニオン…!?

そこでチューをいっちゃいましたね

 ちょっと!! なんてことを言うんですか。仕事の話が続いたので、今度はもう少しパーソナルな部分にツッコミを入れてみましょう。

──ご兄弟がたくさんいらっしゃるとうかがいましたが?

「ピカ太郎、ピキ太郎、ピク太郎、ピケ太郎、ピコ太郎ですね。私は末っ子でいちばん身長が低い。みんな、愛くるしいベビーフェイスですね」

 って、大人気の6つ子もビックリの5人兄弟。そしてピコ太郎は既婚者、しかもかなり年上の奥さんがいるという。

──奥さんの名前はタミさん78歳でよろしいんですか?

「はい、女性なんであんまり年齢は……」

 なれそめはというと、

「あちらが風邪をひいてまして、私は複雑骨折をしていたときですね。それで病院のトイレをパッと開けたときに目と目があったんで、そこでチューをいっちゃいましたね。そこでもう“結婚しよう”と言いました。そしたらあちらが“手を洗ってからでいい?”という返事でした。奥さんは髪がすごく長くて、くるぶしまであります」

 ブレイクに大喜びかと思えば、

「うちの奥さまは“お金はいつ入るんだ。早くしないと水道が止まるぞ”と常に言っております。水道はライフラインの最後の最後ですからね。そういう意味ではウチでは“背水の陣”と言っております」

まだ1円もギャラは入っていません

 人気に比例して収入もさぞかしアップしたことだろう。

「利用している銀行の預金限度額が30万円が上限なんです。だから、こまめに30万円を古坂さんからもらおうかなと思っております。ただ、まだ1円もギャラは入っていません。古坂さんと話し合いができていないんで」

 今年の流行語大賞にもノミネートされている『PPAP』。夫婦の話題で思い出されるのが、同じくノミネート中の“ゲス不倫”という言葉だけど、ピコ太郎夫妻は大丈夫?

「不倫は“イケない”と思います。なぜなら傷つく人がいますから。いい格好したがりなんですけども、公と私があると思います。ですから公としては、絶対にいけないと思います。不倫はいけないし、僕はしません」

 ややマジな目で、切れ味鋭い意見を口にしてくれたのは、自称53歳、年季が入っているからなのか。

 最後に読者へコメントを求めると、

「自分でもこんな雰囲気はお祭りだと思いながら、このお祭りを長く続けていけるように努力をしていこうと思います。日本の文化を背負っていくつもりはございません。しかしながら、日本の文化の一端ではあると思っております。その“一端”で迎えてもらえる国がほかにもあればうれしいなと思います」