まずはジャストサイズの基本アイテムから
“おしゃれ”は、美しいエイジングに欠かせない要素のひとつ。
シンプルな基本アイテムに、流行もので遊び心を加えた着こなしが大人気のブロガー・マダムHさんは、著書『普通の服を、はっとするほどキレイに着る』（宝島社）でも美人エイジングに参考となる服選びをたっぷり指南しています。そのテクニックを紹介!
45歳前後で、これまで着ていた服が「なんだか似合わない」と感じるようになった人は多いはず。年齢とともに体形や心境が変化して、全身トレンドに乗ったスタイルは、どこか浮いてしまう。そんな大人の女性がファッションを楽しむため、ブロガー・マダムHこと佐藤治子さんは提案する。
「まずは“白いごはん”とも呼ぶべき基本アイテムをそろえるといいですね（下記参照）。どれも年を重ねたからこそ似合うもので、これさえあれば、どんなときでも着るものに困りません。大切なのは、ジャストサイズを選ぶこと。最近は肩が落ちたり、襟が抜けるオーバーサイズのデザインが多いですが、自分の身体に合う服が一番きれいに見えます。号数で選ばず必ず試着して買いましょう」
・白いシャツ
綿または麻100％素材で、デザイン・飾りなし。肩幅が左右1cmずつ落ちてくるものを
・シルクのノーカラーブラウス
ノースリーブか半袖を。色はアイボリーかシャンパンベージュを
・カシミアのカーディガン
色はグレー、黒、紺のいずれか。ヒップがぎりぎり隠れるくらいの着丈で、深いVネックを
・黒のテーラードジャケット
ヒップがぎりぎり隠れる着丈で、ウエストシェイプの細身のデザイン。1つボタンでネックは深く
・ノースリーブのリトルブラックドレス
飾りのないストンとしたワンピース。着やすい丈を選んで。ジャケットと合わせて使い勝手◎
・チャコールグレーのウールパンツ
ベーシックな形なら何でもOK。センタープレスが入っているものを。何にでも合う万能アイテム
・大人のジーンズ
ストレッチの入っていないストレートタイプを。色は深いインディゴブルー
※そのほか、トレンチやウールのコート、革のライダースジャケット、タイトスカートなど
できれば“白いごはん”は、長く着るため質のよいものを手に入れよう。さらに、ファストブランドの白Tシャツと白のメリノウールのニットを加えて。
「白はレフ板効果で明るく見えるし、おしゃれ感があります。汚れやすいと言われますが、プチプラの商品なら洗濯機で洗ってくたびれたら処分すればいい。ニットは詰まった丸首でもVネックでも、自分に合うデザインを選んでください」
そして、これらのシンプルな装いに添えてほしいのが、色鮮やかな柄のエルメスのスカーフ。
「若いときに買って以来、しまい込んでいる方が多いのですが、迫力を感じる質感や柄は40代以上になって初めて使いこなせるアイテムです」と佐藤さん。
お手ごろにトレンド注入! 服を楽しむお出かけも
ただ、これだけではおしゃれを楽しむには物足りないのも事実。佐藤さん自身、遊び心を大事にしている。
「流行ものはファストブランドで好きなアイテムを見つけて、ベーシックな服にスパイスとして加えています。そして、せっかくだからおしゃれをして出かける機会も作ってみて。私は旅行にはファストブランドで見つけた服を持っていきます。リゾート用にH＆Mのビキニも買いました! ジュリーのコンサートは毎回コスプレします。みなさんも友人同士、着物で歌舞伎を見にいくとかエレガントにおしゃれをしてオペラを鑑賞するとか、非日常でファッションを楽しんで」
着こなし方は重要だが、服が似合う、似合わないは、本人の気持ちが大きく関わっているという。
「年をとって難しい顔をしていると見ているほうも残念な気持ちになります。ストレスをためず、いつも笑って堂々と歩けば、ファッションとあわせて、もっとステキに見えるはずです」
＜プロフィール＞
佐藤治子さん
「アクアスキュータム」「イエーガー」などアパレルブランドのデザイナーとして40年活躍。現在は、価値ある服を再生させるお直しサロン「REMODE」を運営。ブログ「madameHのバラ色の人生」http://madameh.exblog.jp/のファッションや旅の話題が大人気。出張やバカンス先でのコーディネートを提案した著書『スーツケースの中身で旅は決まる』（小石川書館）も好評。