明治神宮外苑に到着時は、笑顔もなくお疲れがある様子だった(11月11日)

 昨年10月からの1年間で実に「342」件もの務めを果たされたという皇后・美智子さま。こうした激務だけではなく、昨年の夏には動脈硬化による「狭窄」が見つかっており、左肩から左手にかけて、しびれや痛みが出る「頚椎症性神経根症」も悪化しているという。11月5日、三笠宮さまのご葬式に参列された美智子さまはかなりおやつれになったようにも見受けられた。

 老年医学が専門で『「長生き病」を考える』の著書もある高知大学名誉教授の小澤利男さんは、美智子さまの症状についてこう解説する。

「高齢者で老化が進行し、骨、軟骨、筋肉に異常が出る症状を『ロコモティブ・シンドローム』といいます。75歳以上の高齢女性に多く、私は“長生き病”と呼んでいます。美智子さまの『頸椎症性神経根症』も、この症候群のひとつと思われます」

 美智子さまの最近の“面変わり”の原因については、こんな見解を示す。

「高齢者は、筋肉量が減る『サルコペニア』が次第にみられるようになります。疾患や老化で促進されますが、散歩やテニスができれば、問題ないと思います」

 高齢化が進むと、筋肉が減り体重が減ったり身長が縮んだりするのは、このサルコぺニアが原因となる場合が多いという。

 そんな加齢による、病気や体調悪化も心労につながっているのかもしれない。

 また、皇室を長年取材するジャーナリストで、文化学園大学客員教授の渡邉みどりさんは、ほかにも美智子さまの「気がかり」について話す。

「ご家族についての心配事や不幸も、ご心労につながっていると思います。陛下の生前退位の意向を受けた有識者会議が始まりましたが、反対論もあり微妙な状況です。どこまでも陛下の意思に従うつもりの美智子さまにとっては、心穏やかではないはずです」

 8月8日に、「生前退位」の意向を強くにじませるお気持ちを発表された陛下。専門家からも、賛否が分かれる状況に美智子さまは心配を募らせていることだろう。

 渡邉さんが4つ目の心労について続ける。

「孫の愛子さまの登校状況にも、心をお痛めになっていたと思います。先日、1か月半ぶりに登校した愛子さまですが、まだ完全な形では復帰されていないようですね。

 美智子さまは、秋篠宮家の眞子さまや佳子さまのように将来は、愛子さまにも内親王としての活躍を期待されているだけに、登校問題は心配されていると思います」

 最近、美智子さまは御所で愛子さまとふたりでお会いになることもあるようなので、今後は励ましをされるかもしれない。

「三笠宮さまの薨去によって、改めて三笠宮家の“内紛”を目の当たりにして、ご心痛だったことも考えられます」

 そう5つ目の「心労」について話すのは皇室関係者。

 10月27日にご生涯を閉じた三笠宮さまの葬送儀式に美智子さまも参列されたが、そのお疲れだけではないという。

「今回の一連の儀式には、三笠宮さまの長男・寛仁さまの妃である信子さまの姿はありませんでした。

 もともと信子さまは故・寛仁さまと不仲だったので、三笠宮家から孤立している状況です。皇室内でそのような対立があることは好ましくなく、美智子さまも心配されていると思います」(同・関係者)

 ご身内のことを気にかけながら陛下を支え、国民のために祈ることを続けられる美智子さま。“全身全霊”のご活動はまだまだ続きそうだが、少しでもそのご苦労をやわらげることができれば……。