「君ちゃんは病弱という設定ですけど、私、超健康で、京ちゃん(芳根京子)のほうが華奢ですし、身長も私のほうが高いし。見た目の心配がすごく大きかったんです。恥ずかしくて誰にも言ってなかったんですけど、クランクイン前に少しでも雰囲気を出すために、体重を落とそうと努力しました。でも3キロしか落ちなくて……。気がついたら撮影が始まってました(笑)」
ヒロイン・すみれの女学校からの友達で、『キアリス』ではデザインを担当している君枝を演じている土村芳(かほ)。
仕事場であることを初体験したそう。
「撮影のために今、大阪で生活しているんですけど、この前初めて同世代のスタッフさんと女子会をしたんです。撮影、照明、音声の技術チームと、美術チームから女子を集めて、私は出演者代表。めちゃくちゃ楽しかったです。
面白かったのは、女子と同じ部署にいる男性スタッフから“今どんな感じなの?”って頻繁に電話がかかってきて(笑)。男性からすると女子会って、何を話しているのか気になるんでしょうね」
実は土村、これまで朝ドラのオーディションに何回応募しても書類で落とされていたという。
「朝ドラは昔からの憧れで、『あまちゃん』を“私、岩手出身なのに……”と思いながら見ていました。今回は初めて最終審査までいったんですけど、やっぱり落ちてしまって。でも、マネージャーさんから“ヒロインの友達の役でオファーをいただきました”と聞かされて、やったぁ! って(笑)」
先輩・黒木華の姿勢に影響されて
役者としての“デビュー”は10歳で、地元の盛岡を舞台にしたドラマに子役として出演。だが、地元のこども劇団が解散してからは、大学受験するまで芝居からは離れていたという。
「ずっと新体操をやっていたんですけど、このまま体育大に進んで、体育の教師になるのはどうなんだろう、って思ったんです。お芝居をやっていたときの感覚とか経験が胸のどこかに残っていて。それで演技を学べる学校を探して、京都造形芸術大学を見つけたんです」
ここは黒木華も在籍していた学校。
「ひとつ上の先輩で、大学にいたころからオーラがすごくて。当時から、演出家の野田秀樹さん主宰のNODAMAPなどでも活躍されていて、いい意味で、視線が外を向いている印象でした」
黒木の姿勢に影響されたように、自らのプロフィールに書ける作品を残そうと模索してきた土村は、大学の教授を務める林海象監督に見いだされ、'13年に映画『彌勒 MIROKU』で永瀬正敏とともに主演を務めた。
「今年は君ちゃんとしてたくさんの人に知っていただいたので、次は“土村芳”という女優に興味を持っていただけるよう、頑張りたいと思います!」