覚せい剤を使用したとして、11月28日、警視庁に逮捕された歌手・ASKA(本名・宮崎重明)容疑者。2014年9月、覚せい剤取締法違反の罪によって懲役3年、執行猶予4年の有罪判決を受け、現在執行猶予中の身であった。また警視庁は11月18日には、危険ドラッグを所持していたとして、タレント・酒井法子さんの元夫である高相祐一容疑者を逮捕。薬物犯罪をめぐっての相次ぐ再犯を受けフィフィは、その更生過程において、顔が知られている者ならではの苦悩があると指摘する。

芸能人の薬物再犯を防ぐためには…

保釈されたASKA(2014年7月3日)

 ASKAさんのブログでは、度々脅迫観念に襲われている文面が見受けられており、それは覚せい剤の典型的な症状だといわれていますよね。だけど実際に、マスコミから追いかけられていた部分もあり、そのことが脅迫観念を助長させてしまったという面は否めないと思うんです。

 そうした芸能人ならではのストレスがあるなかで、薬物からの更生においても、世間一般の更生と、芸能人の更生とは別物として、切り離して考える必要があると思うんですよね。

 たとえば芸能人の薬物犯罪の再犯を防ぐためには、執行猶予はかえって酷だと思います。執行猶予になれば刑務所に入ることはありませんが、顔が割れている芸能人にとっては、刑務所のなかに入っていることより、常に世間の目に晒される社会のなかで生きることの方がストレスも大きいかもしれません。

 ただでさえ、再び薬物の誘惑に負けてしまいそうになる執行猶予の期間。一般の人以上にストレスを受けやすい環境下にある芸能人は、執行猶予の期間も含めた、ある程度の時間、社会から隔離することが必要だと思うんです。

 そして、社会に復帰してきたならば、芸能界に戻れる場所を作ってあげることも重要だと思う。簡単にまた戻ることができるなんて、やっぱり芸能界は甘いんだ思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、それは違います。

芸能人が芸能界以外で働き口を見つけることは難しい

 芸能界は浮き沈みの激しい世界ですから、私自身、バイトをしたいなと思うこともあります。だけど、それは難しい。なぜならマスコミに追いかけられるし、周りからも好奇な目で見られてしまうから。一度、世間に顔が知られてしまうと、働き口を見つけることがとても難しいんです。

 それがビックネームともなれば尚更。先日逮捕された高相さんの元妻・のりピーは、子どものために働く必要があり、そのことが再び覚せい剤に手を出さないストッパーの役割を担っていると思うんですよね。だから働くことのできる場所が必要なんだけど、先ほど言ったように、芸能界以外で働き口を見つけることは難しいわけ。決して楽だからという理由だけで、再び芸能界で働く道を選んだのではないと思います。

 そういう意味では、高相さんが捕まったとき、この人の立場は辛いだろうなと思いました。芸能人ではないから芸能界に戻る場所はないですし、のりピーの元夫ということで顔が割れてしまっていて、一般の仕事につくことも難しいわけですから。

 いずれにせよ、ASKAさんについては今後も報道が過熱していくでしょう。それは“数字”が取れるからです。しかし、その「好奇の目」というのが、彼らの更生の妨げになっている側面があるということを私たちは忘れてはいけません。

《構成・文/岸沙織》