「きりは“乙女心”を持っている人で、信繁に対しては“恋心”しかない人。常に恋をしているのが彼女の基礎なんだと」
12月18日、ついに最終回を迎える『真田丸』。信繁(堺雅人)の幼なじみで、彼の生涯に寄り添い、一途に思いを持ち続けるきり。そんな彼女も物語の序盤では、“言葉遣いがおかしい” “なぜタメ口?”と口撃されていた。
「初めのころ“うざい”と言われたとき、共演者のみなさんが私が落ち込んでいると思ってか、慰めてくれました。“でも、いい役だと思うよ”って。私自身は別に落ち込んでいなかったんですけどね(笑)」
賛否両論があったきりというキャラクター。しかし、話が進んでいくうちに視聴者からも、“健気でかわいい” “頑張れ”という声のほうが大きくなっていった。
「常に正論を言ってしまう“うざったさ”が、大人になるにつれ、“いいこと言うじゃん”と周囲の評価が変わったんだと思います。根本的に、きりは何も変わっていないと思います」
48話で、佐助(藤井隆)からのプロポーズを受けたきり。間髪いれずの“ごめんなさい”が話題になったが、
「三谷さんから“ひとり、きりに恋をします”と言われまして。誰ですか? と聞いたら“佐助です”と。私は、過去に出演させていただいた『功名が辻』『天地人』ではどちらも忍びの役だったので、その名残を私に向き合わせてくれたのかなと思いました(笑)」
「もうこれでお仕事を終わりにしてもいいんじゃないかと」
そして、ついに前回の49話で、きりの思いを受け止めた信繁。そんな信繁を演じている堺については、
「堺さんは、ヒット作を次々に生み出している役者さん。どういうふうに演じるのか、すごく興味があったんですが、お芝居の技術や経験値を使って、自分の知識で信繁像をきっちり作って演じる方だと思いました」
長澤はこれまでも、病魔に倒れるヒロインを演じた『世界の中心で、愛をさけぶ』('04年)や小悪魔的な魅力を炸裂させた『モテキ』('11年)といった作品で、女優として注目を集めてきた。
「私は、運があるほうだと思います。そのふたつもそうですが、きりにおいても仲のいい女優の先輩に、“こういう役をもらえて、幸せなことだと思うよ”と言ってもらえました。三谷(幸喜)さんの脚本の力や、キャラクターを作るすごさを実感しましたし、役者同士でそう思える役と出会えることは今後、そうないと思うので、うれしかったです。
こんなすごい役をいただいて、もうこれでお仕事を終わりにしてもいいんじゃないかと思うくらいですが(笑)、年々お芝居が楽しくなってきています」