天皇陛下と皇后美智子さま

 皇后美智子さまの2016年について「美智子さまにとって今年は、まさに“激動”の1年でした。先日、『急性気管支炎』を患われたのは、そんなお疲れが原因だったと思います」と振り返るのは、ジャーナリストで、文化学園大学客員教授の渡邉みどりさん。

 11月中旬ごろから体調不良の兆候があった美智子さまは、ぜんそく性の咳が続き微熱も出て、12月9日夜から「急性気管支炎」の治療をお受けに。

「9日夜の雅子さまの53歳お誕生日をお祝いする内宴は欠席し、11日の全日本空手道選手権大会の観戦は天皇陛下だけのご出席となりました」(宮内庁担当記者)

 10月には、持病の「頸椎症性神経根症」の痛みも再発した美智子さまは、1月のフィリピン訪問から、東日本大震災の復興状況の視察、熊本地震のお見舞いなど、お忙しい日々を過ごされてきた。

そのような公務以外にも、お身内の問題で心労が重なったのではないかと思います」と指摘するのは、冒頭の渡邉みどりさん。

「9月下旬から、愛子さまが体調不調で学校を1か月半お休みになったことに、美智子さまは心配されていたと思います。

 皇室最高齢で、天皇陛下の叔父である三笠宮さまが薨去されたこともご心痛だったはずで、11月の悠仁さまの交通事故も驚かれたと思います。そして、美智子さまがもっとも心を砕かれたのは、陛下の『生前退位』の問題だったと思います

 12月23日に83歳のお誕生日を迎える天皇陛下が、8月に発表された「譲位」のお気持ちに、美智子さまも当初は驚き反対されていたという。

 その後の国民の反応や政府の動向に美智子さまのご心労も重なったことだろう。そんなストレスなどで、今回の病状も心配されたが、12月12日には快方に。

 宮内庁関係者は、美智子さまの回復を“後押し”したものがあるとみる。

陛下の退位について、有識者会議の結論では、恒久的な制度ではなく、一代に限る特措法にする方向で決まりました。

 8月の陛下のおことばでは、今回に限らない法制化を希望されているようにも読みとれました。ただ、方向性が定まったことについては、陛下も美智子さまも安堵されたのではないでしょうか

 前出の渡邉さんは、女性皇族方への“期待”が美智子さまの症状を軽くしたとみる。

今年は、次の皇后である雅子さまが長年の療養生活から公務に復帰しつつあることに、美智子さまは希望を持たれたのではないでしょうか。

 初孫である秋篠宮家の眞子さまのご活躍も、見逃せません。研究を続けながら、弟の悠仁さまの面倒をみつつ、成年皇族として公務をされていることに、美智子さまは頼もしさをお感じになったと思います」

 年明けには、恒例の宮中行事やベトナム訪問も控えるが、そんな“安心感”を持ちながら、美智子さまは公務に集中することができそうだ。