世界ランキング2位で、リオ五輪ではメダル確実と言われていたバドミントン元日本代表の桃田賢斗選手。チームメートの田児賢一選手と違法カジノ店に出入りしていたのを報じられたのは、今年4月7日のことだった。
「桃田選手は昨年行われたスーパーシリーズファイナルでは、日本人として初優勝。4か月後に控えたオリンピックへ向け調子は上がっており、金メダルも狙えた存在でした。そんなときに違法カジノ問題が報じられたので、バドミントン界には激震が走りました」(スポーツ紙記者)
桃田、田児両選手ともに墨田区にある違法のバカラ賭博に通っていたことを認め、4月9日に謝罪会見を行った。協会は桃田に無期限の試合出場停止処分とし、田児は無期限の協会登録抹消。桃田はリオ五輪出場の道を閉ざされた。
「最近になって、来年5月には桃田選手の試合出場停止処分が解除されるのではという話が、協会内でちらほらと出てきています。
'18年の代表選考を兼ねた'17年末に行われる全日本総合選手権に出場させるためです。協会としても'20年に行われる東京五輪で、彼に金メダルをとってもらいたいという計算があるんです」(前出・スポーツ紙記者)
自業自得とはいえ、リオ五輪の夢を断たれた桃田。さぞや落ち込んでいるかと思い香川県にある実家を直撃すると彼の姉がこう話してくれた。
「今、私たちは見守るだけなんです。何も知らないので本当にすみません……」
では、桃田本人はどう答えるのだろうか。千葉県内にある選手寮で直撃取材した。
―来年から試合に復帰できるという話が出ているようなのですが?
「すみません、まだ処分が明けていないので、今は何とも言えないです……」
そう話すとマスクを取り、神妙な面持ちになった。
―桃田選手を応援していたファンもいらっしゃると思うのですが、その方たちへ何かメッセージはありますか?
「失った信頼を回復することは本当に難しいと思うのですが、精いっぱい頑張っていきたいと思います」
―処分が明けたら、4年後の東京五輪は目指しますか?
「会社の人たちやいろいろな人たちに支えられて、今の自分があると思います。その方々のためにも、頑張らないといけないなと思います」
―後悔は大きいですか?
「そうですね……」
―今、ギャンブルはやってますか?
「もう全然、やってないです!」
そう答えると、桃田選手は頭を深々と下げて寮に入っていった。今は午前中は会社で勤務し、午後は練習という日々を送っているそう。もう1度、輝く日は来るのだろうか。