「若手じゃないんだからさ、1回言ったら理解しろよ!」
「ここは歌手の方の導線ですから、あけておいてください!」
「飲食と喫煙以外は、こちらに立ち入らないでください! 」
12月28日にNHKホールで行われた『第67回紅白歌合戦』の初日音合わせ。舞台裏では、冒頭のようにNHKスタッフが声を張り上げる場面が相次いだ。例年通り多くの取材記者が集まったが、リハーサルの様子はいつもと少し違っていたようだ。
「今までは、ホール全体をしきるスタッフが、出演者やほかのスタッフにマイクで指示を出していたのですが、今回はそのマイクを使うことがほとんどなかったんです。取材席に座っていても、何をしているのか、どういう状況なのか、わからないこともありました」(スポーツ紙記者)
なぜこんなにも張りつめた空気感だったのかと言えば、26日に放送された『SMAP×SMAP』(フジ系)の最終回でグループとしての姿を見おさめることになった、“SMAPロス”によるものだったようだ。
「“SMAPシフト”があると言われていた紅白でしたが、出演しないという回答が正式に発表されたのが12月23日。台本の組み直しなどで、バタバタしていたのかもしれません。
この日のリハーサルでは、星野源さんのマイク不調、関ジャニ∞は3回も歌い直し、RADIO FISHが出演する場面の舞台転換が上手くいかず、40分以上出演者が舞台で待たされる場面もありました」(取材に当たった男性記者)
音合わせを終えた歌手が順番に会見場へ訪れるが、ここでもかなりピリピリとした空気が感じられた。
「囲み取材の場で記者が“今年はSMAPさんが出場されませんが……”と切り出すと、スタッフが“お時間ですので〜”と会見を終了してしまうんです。こうなることを察して、レコード会社の人たちと入念に打ち合わせしていました」(前出・男性記者)
確かにこの日、SMAPと同じジャニーズ事務所で音合わせに訪れていたV6と関ジャニ∞は、最初から会見を行わないというアナウンスがなされていた。厳戒態勢で行われていた会見だったが、
「ある記者がAAAの宇野実彩子さんに“Twitterで月曜日に、番組が終了して悲しいと呟かれていましたが、いかがですか?”と、SMAPという言葉をあえて出さずに質問をしたんです」(レコード会社関係者)
これはスタッフも止められず、彼女も「とても残念です。同じユニットとして目標でもあったので……」と答えていた。
「一方で、サプライズを用意していると話していたRADIO FISHの中田敦彦さんも、“ダンサーとして、SMAPさんが出てくることは?”と聞かれると、“それ以上のサプライズないじゃないですか! 重荷になるからやめてください”と記者たちを笑わせてくれました」(前出・スポーツ紙記者)
この日、音合わせの最終組だったV6の面々は囲み取材もなく、さぞ緊迫した感じなのだろうかと思えば、まさにその真逆。特に『あさイチ』(NHK)で同局の朝の顔を務める井ノ原快彦はのびのびとしていた。
「知り合いのスタッフが多いのか、手を振り、隣にいる岡田准一さんに“××さん!”と教えてあげていました。森田剛さんはスタジオ内の手すりに張り巡らされていた電飾に興味津々。じーっと見て手すりをつついたり、握ったりしていました」(取材に当たった女性記者)
そんなV6がスタジオで音合わせをしているなか、午後9時38分に茨城県北部を震源とした大きな地震が起こった。音合わせも中断、モニターには地震のニュース速報が映し出される。
「6人はスタジオ2階の特別ステージにいて、坂本さんと井ノ原さんは速報に釘付けになっていました。2階席には多くの記者がいて、モニターの高さに6人が並んでいるような状況。それに気がついた井ノ原さんが、三宅さん、長野さんと肩を組んで2階席にいる記者やカメラマンさんに向かってピースをしたりして、現場をなごませる姿もありました」(前出・スポーツ紙記者)
と、和気あいあいとした様子に記者たちも思わず拍手を送っていた。この日の音合わせが終了したのは、夜10時ごろのことだった。