“長期療養”が始まって13年が過ぎた皇太子妃雅子さまについて、「昨年の雅子さまは、海外訪問こそありませんでしたが、久しぶりの宮中祭祀や、初めての公務など活動の幅が広がり、今年はさらなるご活躍が期待できるかもしれません」と話すのはある宮内庁関係者。
外務省出身の雅子さまは、“皇室外交”とも呼ばれる「国際親善」を志して皇室に嫁がれたとも言われるが、今年はその“念願”が叶いそうだ。
「外国訪問をすることがなかなか難しいという状況は、正直申しまして、私自身、その状況に適応することになかなか大きな努力が……」
'02年に、6年ぶりの海外となったニュージーランド、オーストラリア訪問のときには記者会見で、そんな率直な気持ちを明かされたこともあった雅子さま。
1993年のご成婚直後には、中東諸国を歴訪したが、'06年に静養目的でオランダを訪問された以外に海外渡航は限られたものに。
そして'13年に、約11年ぶりの公式訪問でオランダへ。'15年には南太平洋の島国・トンガに行かれるなど、最近は訪問の機会が増えてきている。
今年のご予定について、東宮職関係者が打ち明ける。
「日本と北欧・デンマークの『外交関係樹立150周年』名誉総裁に皇太子さまとデンマークのフレデリック皇太子が就任されています。
周年行事の際は名誉総裁がそれぞれの国を訪ねることになっているので、皇太子さまも雅子さまを同行される可能性は高いです」
皇室とデンマーク王室との親交は長く、'15年にフレデリック皇太子夫妻が来日したときには、皇太子ご夫妻も懇談されている。さらに今年は、こんな外遊も控えているという。
「皇太子ご夫妻は春ごろに、外交関係60周年でマレーシアを訪問される計画がありますが、雅子さまにとってアジアの国は初めてとなります」(同・関係者)
美智子さまは皇太子妃時代の'70年と、平成になってからの'91年にマレーシアをお訪ねになっているが─。
皇室を長年取材するジャーナリストで、文化学園大学客員教授の渡邉みどりさんは、今回のご訪問について次のように指摘する。
「アジア地域は昨年、両陛下がフィリピンを訪問し、シンガポール大統領夫妻が来日した際も述べられたように、太平洋戦争中の犠牲者を悼む場でもあります。それらの国を雅子さまが訪問すれば、美智子さまが陛下と築きあげてきた親善の“引き継ぎ”にもなるはずです」
「次の皇后」として大きな一歩を踏み出す“覚悟”を持たれた雅子さまに、美智子さまも安心されていることだろう。