NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』で、戦国時代をしなやかに駆け抜けた井伊直虎を演じる柴咲コウ。
「直虎の魅力は自分がどう生きるかより、周りがどう潤って豊かになるか、をまず考えていること。行動がその場しのぎではなく、根底には思いやりがあることだと思います」
直虎は群雄割拠の世、自分の家と国を守るため、1度は出家した身ながら“俗世”に戻って城主となった女性。
「実際に、彼女が守ろうとした井伊谷(いいのや)を一望できる場所にロケで立ちました。そこから風景を見ているうちに、彼女は目先の利益とかのためではなく、自分の大事な人たちが育った場所を存続させたいという気持ちが強かったのかな、と感じるようになって。そこに住む人間だけではなく、豊かな自然も含めて守りたかったのかなと感じました」
還俗した際、女性ながらも名前に“虎”という勇ましい文字を入れた彼女。その理由についても思うところがあるという。
「かつて、許嫁(いいなずけ)となった直親の忘れ形見である虎松の名前からとっているのかな、と。“彼の魂を宿して生きていく”というセリフにその思いが込められていると思います。伴侶として生きられず、先に亡くなってしまった大切な人の魂を自分が引き継ぐという宣言なのかな、と思いますね」
そんな強さを持つ彼女と、自分の共通点については、
「似ている部分はわりと多いと思います。考えないで、まず一歩を踏み出してしまうところとか。私自身も目標を立てるとか、水面下で調整をして行動するようなタイプではないので(笑)」
これから1年、直虎として生きていく柴咲。どんな姿を見せていきたい?
「毎回、初めて物語を読んだときの気持ちで、直虎を体現していきたいと思います。大河ドラマという、年代を問わず全国のみなさんに見ていただける作品での主役ですので、私を認知していない方にも自分を売り込むチャンスかなと思っています(笑)。
昨年はこのお仕事を含め、’17年に飛躍するための準備をしてきました。自分がそこから逃げずにやってこれたので、これまでやってきたことが栄養となり、今年きちっと花が咲くと信じています。そんな姿をみなさんにお見せできたらいいなと思っています」