「この『新宿スワン』は僕の代表作で、自分の可能性を引き出してくれた作品です。
今の僕があるのもやっぱりこの作品があったからだと思います。僕は常に“次はない”という意識でやっていますが、初めて“次を考える喜び”というのを教えてくれました」
綾野剛が金髪&天パーのスカウトマンの主人公・白鳥龍彦を演じ、大ヒットを記録した『新宿スワン』が、約2年ぶりに『新宿スワンII』として帰ってきた!(1月21日[土]公開) IIは続編? と思いきや、続編ではなく“新章”だと言い切る。
「前作は龍彦が、新宿歌舞伎町というミニマムな世界の中で一人前のスカウトマンへと成長していく物語。IIは進出を目論む新宿と横浜の男たちの“戦国物語”で、いわゆる“国取り合戦”なんです。前回は新宿編、今回は横浜編とまったくの別もの。Iが好きな人とIIが好きな人が分かれて当然で、むしろ分かれてもらっていいんです」
と、ここで“IとII、どちらが好きですか?”と、記者に逆質問。会う人みんなに聞いているというが……。
「今のところ6割の方が、“IIのほうがいい”と。みなさん抗争劇が好きなのかも。僕? 僕は仕事柄、Iのほうが見やすいです。というのも、役者という仕事をしていると、主人公が成長していく姿をどうしても見てしまいます。ただ、映画館で見るなら断然IIです。迫力やダイナミックさはIとは比べものになりません。何より浅野忠信さんが圧倒的です」
アクションにも耐えられるよう、肉体改造中!
綾野が言うとおり、IIはハードなアクションも見もの。特に強く記憶に残っているのが、浅野と対峙(たいじ)するシーンだそう。
「浅野さんは、普段はものすごく優しくジェントルマンで、僕らが恐縮してしまうくらいいろいろと気にかけてくださるんです。でも、いざスタートがかかるとまったくの別人になる。もう纏(まと)っている匂いが一気に変わる。向こうに拳(こぶし)を構えられた瞬間に、“ちょっと待ってください”って止めて、自分の身体を叩き起こしたことも何度かありました。そのくらいとてつもないパワーだったんです」
最近では、アクションにも耐えられるよう“身体作り”を意識しているとか。
「IIの撮影のときは体重を上げて、肌にハリを出すために普段はあまりとらない糖分をとるようにしたりしました。最近は肉体改造をしたくて、外食を控えて自炊をするようにしているんです。自分で作れば、塩分や糖分の調整ができるので」
料理をする姿なんて想像できない!
「僕、『MOCO'Sキッチン』大好きで。あんなオシャレな料理は作れないけど、いわゆる“男メシ”みたいなものは作ります。得意料理ではないかもしれないけど、“手羽先のコーラ煮”は間違いなく作れます」
冷蔵庫には○○を常備
冷蔵庫に常備しているものを聞くと――。
「最近は冷蔵庫の中にブロッコリーを必ずストックしています。ブロッコリーはスーパーフードで、身体作りにすごく適しています。あとは飲み物。料理をしないときでも、冷蔵庫が空っぽのときでも、飲み物だけは必ず冷蔵庫に入っています」
今年11月公開の映画『ラストレシピ 〜麒麟の舌の記憶〜』では料理人を演じ、包丁を使う機会も増えたそう。
「何を作りたいというよりも、あの調理器具を使って料理をしたいとか、そういう面白味も新たに感じるようになってきました。バリエーションも広がって楽しいんです。でも……、やっぱりうまいものは外に食べに行ったほうがおいしいですね(笑)」
肌もきれい! 何か秘訣が?
「この仕事を始めてからですが、メイクさんに“せめて化粧水と乳液だけはしてほしい”と言われてからやるようになりました。もともと“女性のもの”という見方があったんです。でも、やってみたら全然違いますね。スキンケアは大切ですね」