「お芝居をするのは好きですが、実は自分のお芝居が嫌いなんです。いつも反省点ばかりで、“コンチクショー”って心の中で叫びながら見ています。基本的に役を選ぶこともないですし、何でもチャレンジしたいです」
映画やドラマにひっぱりだこ、シリアスな役をやったかと思えばコメディーでも抜群の存在感を放ち、最近は“カメレオン女優”としても名高い木南晴夏。
一青窈(ひととよう)姉妹の家族の物語を描いた主演映画『ママ、ごはんまだ?』(2月11日より全国ロードショー)では、窈の姉・妙(たえ)を演じる。
「撮影は、ご一家ゆかりの地である石川県と台湾の台南で行われました。台南は穏やかな気候ということで、みんな薄着で行ったんです。そしたら全然! なんと50年ぶりの寒波が直撃して(笑)。現地の方も驚く寒さでした」
さらに強風で撮影が延期する事態に。でも、温かいおもてなしと台湾グルメでホッコリ。
「親日の方がとても多く、街中で撮影していても、私が日本の女優というだけで“スターが来た!”とみなさん喜んでくださって。それは手厚い歓迎を受けました。あとは本当に食べ物がおいしい! 夜市にも行きましたよ。小龍包(ショウロンポウ)が最高でした」
映画では、亡き母が残したレシピ帳をもとに物語が始まる。“これぞ母の味”という、思い出の料理ってある?
「鶏肉料理かな。実は母は鶏肉がまったく食べられないんですが、昔からから揚げや手羽先のトマト煮など、たくさん作ってくれました。今でも実家に帰ると、ついリクエストしてしまいます」
ご自身で料理も?
「します。料理が好きなんです。和洋中、何でも作りますよ! 最近は餃子に麻婆豆腐にチマキなど、中華にハマってます」
しかし、こんなに料理が好きなのに、料理シーンの撮影では、周りのスタッフに心配されてしまったとか。
「“大丈夫ですか? 千切りできますか?”って。よっぽど料理をするイメージがなかったみたいで……。“そのくらいできますよ!”って。常日ごろ、料理をやっておいてよかったです(笑)」
末っ子だという木南。
「兄と姉がいます。チビッ子のときはケンカばかりでしたが、今はすごく仲よしです。今でも2〜3か月に1度会って、姉の家で一緒にごはんを食べたりします。でも、姉はまったく料理をしない人なので、私が料理担当です(笑)」
〈作品情報〉
映画『ママ、ごはんまだ?』
かつて家族が暮らした家を取り壊すとき、一青妙(木南晴夏)、窈(藤本泉)姉妹が発見したのは、亡き母・かず枝(河合美智子)が残した台湾料理のレシピ帳。台湾人の父と結婚し、たくさんの苦労がある中で、母が作り、愛した料理の数々。その料理は次第に姉妹にとっても忘れられない思い出となっていた―。