「今回演じたのはタバコを吸う役だったので、撮影の2か月くらい前からタバコを吸う練習をしていました。とにかくキツくて、毎日地獄のようでした(笑)」
一家惨殺事件の被害者夫婦と関係のあった者たちの証言をもとに、その真相に迫っていく戦慄の群像ミステリー『愚行録』(2月18日[土]全国公開)で、被害者の大学時代の同期生で、現在はカフェのオーナーを演じた臼田あさ美。
人間関係における羨望、嫉妬、見栄、目に見えぬ駆け引き――。作品では人間の複雑な内面が描かれているが、彼女自身はというと、常に明るく、笑顔を絶やさない。
「人と比べて誰かを憐(あわ)れんだり、みんなが憧れる人を羨んでしまう気持ちはすごくわかります。でも、私自身にはそういったことがなくて……マイペースなんだと思います(笑)」
寝るのが大好きだという臼田。
「何もなければ22時〜23時には寝ます。最近、遮光カーテンだといつまでも寝れちゃうと思って、寝室のカーテンを普通のものに変えたんですが、日当たりがよすぎて日の出とともにすごい日が当たってつらいんです……。そこで布団を頭までかぶるというワザを身につけたんですが、これでは遮光カーテンをやめた意味がないですね(笑)」
女優の前にはモデルとしても活躍。そもそもデビューのきっかけは?
「高校生のころ、渋谷で雑誌の編集者の方に声をかけられて読者モデルを始めました。でも、当時はモデルのお仕事にあまりピンときていなくて、卒業後もやっていくことは想像もできませんでした」
それでも周りの応援を受け、モデルを続けられたと臼田。自分自身に“違和感”を感じることもあったと言うが、そこで出会ったのが女優業だった。
「モデルだと常にカワイイとかカッコいい存在でいなくちゃいけない。今だから言えますが、ある雑誌でモデルの私物公開という企画があって、古着を出したんです。そしたら全部あとでキレイなものに差し替えられていたことも(笑)。でも、モデルというキャラクターを“演じる”ことも必要だったんです」
そして20歳で映画デビューを果たす。
「胸を張って言えるほど何かつかめたものがあったわけではないんですが、自分の中で何かが変わりました。映画の撮影では“カワイイ”は関係なく、ただお芝居することを求められる。そういったことが、すごくしっくりきたんです」
今となってはシリアスな役からコメディー、コント番組まで、幅広くこなす女優に。忙しい中でも、いつまでも自分らしくいる秘訣は?
「自分の気持ちに正直でいれば大丈夫な気がします。あとは“本当に楽しい!”と思えることを持つこと。映画でも音楽でもなんでもいいんです。自分がしたいことや好きなことがひとつでもある人は、どこにいても強いと思います!」