清水富美加

 NHK連続テレビ小説『まれ』でブレイクした人気女優・清水富美加が、宗教法人「幸福の科学」で出家するため芸能界引退を表明した。

 清水は直筆コメントで、「約8年、このお仕事をさせていただきましたが、その中でお仕事の内容に、心が追いつかない部分があり、しっかりとした生活が送れず、毎日がギリギリの状態でした。なので今、出家したいと思いました」と出家に至るまでの経緯を告白。

 加えて教団側から、1か月休みなく働いても月給5万円であったこと、人を食べる役を演じるのは思想信条に合わなかったが、断ると所属事務所から干されてしまう恐怖心との葛藤の中に置かれていたことなどが明かされると、所属事務所が反論し、泥沼状態に。

 さらに2月16日には、清水が自身のツイッターで、大川隆法総裁から与えられた法名「千眼美子(せんげん・よしこ)」として著書『全部、言っちゃうね。』(幸福の科学出版)を17日に緊急出版することを告知。

 今後は、宗教家として芸能活動を行う可能性があるとも言われているが、果たしてこの出家問題はどこに向かうのか? ご本人も出家経験のある、美容外科「高須クリニック」の高須院長に話を聞いた。

――まず、早くも今年の芸能ニュースのベストになるのではないかとも言われている「清水富美加出家・引退」騒動ですが、この問題を高須院長はどうお考えですか?

高須「普通! 売れっ子女優が起こしたからニュース性があるだけで、仕事を懸命にやり、その結果、自身が疲れて退職したくなる。そんな人、公務員でも代理店でも、もちろんこの記事を読んでるみなさんの周りにもいるでしょう。どの企業にも絶対こんなメンタルの人いますよ、要は“燃え尽き症候群”だよ。普通は疲れたおじさんとかがなるもんだけど、若いうちから芸能界で一生懸命に働いたから、まだ22歳だけど燃え尽きちゃったんだろうね

――そう思うと、清水さんの心情はごく当たり前と。

高須「そう。ちなみにね、あのお釈迦さまもそうだよ。妻も子どもも王位も捨てて出家したからね」

――芸能人からは、突然の職場放棄ともとれる清水さんの行動に「芸能界のしきたり違反だ」など批判の声も多いですね。

高須「もし、清水さんが幸福の科学の芸能部門に所属して、芸能活動をするならもっともだね。だってそれはただのルール違反の引き抜き行為だから。でも出家なら違うよ。出家したら働いてはいけないの。お布施で生きていき、道を極めるために仏にすべてを捧げないといけないから。要は仏門に入るのでこの世のすべてを捨てますということだね。ま、私の宗教はたまたまゆるいので、今もこうやって働いてるし、千差万別ではあるけど基本はそうです(※編集部注:高須院長は浄土真宗で出家されています)」

――やはり、新興宗教への偏見や嫌悪感からここまで騒がれるのかなと思ってしまいますが……。

高須「騒がれても、もう彼女は芸能界のルールは捨てたでしょうし、本人には響かないだろうと思いますよ」

――院長はツイッターで清水さんに「良い道が開けますよう」と出家を賛成するリプライをされていましたが、なぜ出家に賛成なのでしょうか?

高須出家は“死”と同等。“この世から離れます!”って宣言なの。だとしたら全部準備して死ぬってことはない、だからある日いきなり出家するのはごく当然です。それを踏まえて、良い道・良い出家ができますようにと思ったのでリプライしました。みんなも周りで誰か亡くなったら『安らかにお眠りください』って祈るでしょ?」

――そういうことだったのですね。ところで院長はどのような理由で出家されたのですか?

高須「僕はね、自分の母や妻の葬式を出したとき、檀家のお坊さんが来て、やれ遺影がどうの、墓がどうのって勝手に一方的に意見されたの。そんなの、自分が弔いたいようにやればいいじゃないですか。それで不満に思ってたら“私は僧侶、あなたは俗人”なんて言われてね。よし、なら僕も僧侶になって同じ土俵に立つぞとね」

――まさか、そんな理由とは! 仕事や生き方の悩みかなと思っていました。

高須「ケンカモードでの出家だったんだよね(笑)。ま、これは後に修行中に怒られたけど。そんな気持ちでやっちゃいかんと」

――出家されたことで、ご自身が変わられたことはありますか?

高須「死んだ方を弔えるようになったので、それが今生きている人の安らぎや助けになる。そんなことができるようになったのはうれしいね、やっぱり。でもさ、清水さんは逃げるために出家したっぽいよなぁ~。ところでさ……僕、あの『全部、言っちゃうね。』をもう持ってるんです‼(編集部注:この取材は2月17日に行われたものです)」

高須院長のツイッターより

――あの「千眼美子」さんの! みなさん気になっていると思いますが、いかがでしたか?

高須「その、千眼美子って、千の眼を持つ美しい子ってことなんだろうけど、ちょっとイモっぽいよ~。もうちょいおしゃれなのを教祖様はつけてくれなかったのかな? ところで教祖と言えば、私は大川隆法さんに私の守護霊を呼び出してほしいですね!」

――院長! 話が脱線してます! さて、話を戻してその千眼美子さんのご著書のキャッチコピーが「死にたかった7年、死ねなかった7年」と衝撃的ですが、これについてどう思われますか?

高須「死にたかった、まで言い切り、過去の自分を全否定するのはかえってふん切りがよくていいよ! だって、未練を断ち切ることは出家に一番大事だから。未練があるとね、人は成仏できません」

――過去を全否定がいい! とは斬新な意見ですね。千眼美子さんもこの記事を読んだら、励まされると思います。

高須「そうね、ところで……清水富美加さん、頭剃るのかな⁉」

<プロフィール>
高須克弥(たかすかつや):1945年愛知県生まれ。高須クリニック院長。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。脂肪吸引手術など世界の最新美容外 科技術を日本に数多く紹介。金色有功章、紺綬褒章を受章。『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)、『筋と義理を通せば人生はうまくいく』(宝島社)、『ダーリンは70歳/高須帝国の逆襲』(Kindle版) 。最新刊は『行ったり来たり僕の札束』(小学館)