勝負では熱いバトルを繰り広げた3人も、滑走順抽選では横並びでほっこりムード 撮影/坂本清

「ソチ五輪を彷彿とさせる青を基調としたリンクで非常に氷の状態もよかった。何よりも、この会場でいいコンディションで滑れることが幸せだなって感じていました」

 羽生結弦が、ついに五輪のリンクに。

 2018年の平昌五輪の試合会場となる韓国・江陵アイスアリーナで、五輪のプレ大会を兼ねた『四大陸フィギュアスケート選手権』が開催。日本から男子は羽生結弦、宇野昌磨、田中刑事が出場した。

 男子SP3位と出遅れた羽生は、フリーで206.67点と今季最高得点を更新して1位となったが、17歳の新鋭ネイサン・チェン(アメリカ)には及ばず、合計303.71点で総合2位にとどまった。一方、史上4人目となる100点超えでSP2位の宇野は、合計288.05点の自己ベストを更新するも総合3位に。SP11位の田中刑事は合計220.18点の13位に終わった。

 勝負では熱いバトルを繰り広げた3人も、滑走順抽選では横並びで笑顔で話し込むなどほっこりムード。「また来たい気持ちはある!」と目を輝かせる田中に対し、宇野は五輪のプレ大会と呼ばれていることを「それは忘れていました」とテレ笑い。しかし、「今はあまり五輪のことを考えない。その日の最善を尽くしたい」と闘志ものぞかせた。

 そんな宇野や田中だけでなく、複数の4回転ジャンプを当たり前のように跳ぶ国内外のライバルの台頭に、五輪連覇を目指す羽生は、「いろんな4回転をフリーで5本跳ぶ。そういう中で切磋琢磨している状況ですから、彼らに対して尊敬の念をもっています」と謙虚に思いを。

 五輪開幕はいよいよ1年後。夢舞台の主役になるのは絶対王者ゆづか、それとも!?