「♪ペンパイナッポーアッポーペン(PPAP)」と歌いながらリズミカルに踊るYoutubeの動画が世界で話題になり、一躍2016年の顔となったピコ太郎。その勢いは2017年に入っても止まらず、今年3月にはなんと武道館公演が決定し、数々のCMにも出演している。

 そんな時の人・ピコ太郎が「高須クリニック」のCMに出演! YouTubeと高須クリニックのホームページ上で先行公開され、早くも話題になっている。

左から西原理恵子さん、高須院長、ピコ太郎(高須院長のブログより)

 2月27日からはテレビでもオンエアがスタート。気になる内容は、ピコ太郎の『I LOVE OJ』を替え歌にした『I LOVE TC』バージョンをバックに、金ピカのステージで60人のダンサーを引き連れて二人が踊りまくるという、非常にバブリーなもの。

※動画参照リンク
http://www.takasu.co.jp/bb/tvcm/

 オファーから撮影まで、その裏側はどうなっていたのか? また高須院長が考えるCM戦略とは!? 美容外科「高須クリニック」高須院長に話を聞いた。

――今までのヘリや外国人、そして西原理恵子さんの印象が強かった高須クリニックのCMですが、いきなりピコ太郎さんの起用となりましたね。いったいどのような経緯でオファーされたのでしょうか?

高須「広告代理店がいつもCM案をいくつか持ってくるんだけど、なぜか広告代理店が自ら“ピコ太郎はナシですね”って切ったわけ。で、逆にやりたくなった。それが発端です」

――まさかの、不採用からの逆転劇だったんのですね! 院長のツイッターで“高須クリニックのCMにピコ太郎を起用したらどうか”とのつぶやきが目に留まったことがオファーのきっかけかと思いました。

高須「その裏はね、まず広告代理店がNGを出したでしょ。そこで僕はハワイにいるavex松浦社長に直接電話したのですよ。トップに依頼をして、スケジュールを聞いてもらった」

――すごい直接交渉です! それからどうなったんですか?

高須「で、確認してもらってる間に外堀を埋めてやろうと、即、相互フォロアーのピコ太郎に打診して。『CM出て。スケジュール空けて』ってね。公然の事実にしちゃう策ね」

――策士ですね~。でもそんなビッグな交渉があったなんて驚きです!

高須「やはり交渉はトップダウンで決めるのがいいよ。CM決定までツイートから15分ですから」

――日本一早いCM決定劇かもしれませんね。そもそも院長はピコ太郎さんをご存知でしたか?

高須僕はジャスティン・ビーバーより早くピコ太郎を褒めたんだよ! ちなみに彼のプロデューサーの古坂大魔王氏もツイッターで繋がってます」

――ブレイク前からご存知とは、恐れ入りました。YouTubeの動画を見た感想はいかがでしたか?

高須「僕はいつもフォロワーさんから“こんな面白い人がいますよ”って、情報をもらうから、ネットで注目されてる人は結構早くから知ってるの。だからピコ太郎ともやり取りはよくしてて、面白いヤツだなって注目してました。松浦社長にも今度連れて来いって言ってたんです」

――それがCM起用までに繋がった理由はなんでしょう?

高須「彼が世界的にブレイクしちゃって、なかなか遊べなかったから。遊べないなら、仕事を振ってそこで会おうと。だから撮影現場が初対面ですよ」

――お金のかかる初対面セッティングですね!

高須「そう。まだ請求が来てないけど、彼がこのCM曲『I LIKE OJ』を本当は豪華な動画にしたかったけど、当時は予算がなかったって言ったから、すごい豪華にしたからね。いくら請求が来るんでしょうね~」

――会いたい、面白そうでCMを作ってしまうとは、さすがYES! 高須クリニックですね!

高須「だって、面白いなと思うと会いたくなるのよ」

ピコ太郎の印象は?

――では、撮影現場でのピコ太郎さんはいかがでしたか? 動画やツイッターの印象通りですか?

高須見てて気持ち悪いくらい腰が低いよ! 話すときは超ねこなで声ですし、おじぎもね、90度腰を折る最敬礼を超えて、130度くらい曲げるんですよ! 背の高い彼が、ボクの腰より下まで頭を下げるのです」

――苦労人だから腰が低いという噂は本当だったんですね! ところで、院長もCMで一緒にダンスされていますが、まさか踊れるとは! 踊ってみた感想はいかがでしたか?

高須「高須クリニックのCMはとにかく全編テーマが“ゴ―ジャス”。これに尽きるので、ゴージャスになるためなら踊りもマスターしますよ。今回のCMコンセプトは豪華絢爛(けんらん)! これ以外に何もない!

踊る高須院長とピコ太郎(高須院長のブログより)

――しかし、かつては、テレビCMは社会現象になるなど影響力がありましたし、高須クリニックのテレビCMもインパクトがあって有名です。でも最近はネット動画派がテレビ派を上回ると言われたり、テレビCMを取り巻く状況は変わってますが、それでもテレビCMに大金を投資するのはなぜですか?

高須「テレビの時代が終わりつつあり、ネットの存在が大きなものになっているのは僕もSNSなどでひしひしと感じてるよ。でも、テレビCMはズバリ付き合いです

――すごい交際費ですね!

高須「そう。でも、なんだかんだで高須クリニックのテレビCMをやって35年。今更やめたらどんな影響があるのか、ちょっと怖いんだよね。だって、ネットからテレビに波及したり、まだまだテレビ効果は大きいからね!」

<プロフィール>
高須克弥(たかすかつや):1945年愛知県生まれ。高須クリニック院長。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。脂肪吸引手術など世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。金色有功章、紺綬褒章を受章。『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)、『筋と義理を通せば人生はうまくいく』(宝島社)、『ダーリンは70歳/高須帝国の逆襲』(Kindle版) 。最新刊は『行ったり来たり僕の札束』(小学館)