姿月あさと

「毎日の睡眠時間は、およそ3〜4時間。それで十分足りていると感じています」 

 こう話すのは、宝塚歌劇団の元「宙組」トップとして人気を誇り、現在は歌手として活躍する姿月あさと。

「夜は、眠くなるまで寝ようとしません。そのかわり、いざベッドに入ると、すぐにコテンと寝てしまいます。だから眠れなくて困ったことはナシ。日中に眠くて困ったこともないんです」

 短い時間でも質のよい睡眠が得られ健康が保てる、芸能界きっての“ショートスリーパー”なのだ。たった3〜4時間の睡眠で日常生活に支障は出ないのか?

「1日に必要な睡眠時間には個人差があるんです。5時間未満で足りるショートスリーパーと、反対に10時間以上の睡眠を必要とするロングスリーパーがいます」と『スリープクリニック銀座』の院長で睡眠障害に詳しい渋井佳代先生。

 ただ、実は自分でも気づかない睡眠ストレスを抱えているケースは珍しくない。はたして彼女は本物のショートスリーパーなのか? 検証すべく、事前に「睡眠ストレスセルフチェック」を解いてもらったところ、「心配なし。グッドスリーパーの素質十分」(渋井先生)という結果に。

「以前、テレビ番組の企画で睡眠時の脳波を測ったことがあるんです。すると、寝ついて数分ですぐに深い眠りに入っていました」

 と姿月。よりよい眠りを得るために、普段から自分なりの工夫をしているという。ベッドサイドには何も置かず、シンプルに。シーツやカバーにもこだわる。

「素材のよさを重視して選んでいます。着るものも、Tシャツ素材など肌触りがよく気持ちがよいと思うものを身につけるようにしています」

 眠る前に好みの香りのアロマスプレーを吹きかけるなど、リラックスのための環境づくりも欠かさない。 

「それと、身体を冷やさないよう、寝るときは手首・足首・首の3つにウォーマーを巻いています。冷暖房はほとんど使いませんね」

意識的に仮眠もとる

 疲れているなと感じたら、意識的に仮眠もとる。移動中の車内やランチの後に目をつぶり、ストンと眠って10分ほどでパッと起きる。

「親しい友達と一緒にいると“5分だけ寝るね”と断って寝ることもあります」

 こうした彼女の生活ぶりに、渋井先生は、

「寝室の環境といい仮眠のとり方といい、理想的ですね。仮眠は30分以上とるとボーッとしたり、夜の眠りに支障が出てしまいますが、こまめにとって脳を休ませるのはとてもよいこと」

 実は、姿月のような正真正銘のショートスリーパーは、まれだとか。

「睡眠時間が少なめで元気! といっていても、週末に何時間も多く寝ている人はわりと多い。それは普段、無理を重ねているだけですから注意が必要。

 真のショートスリーパーは寝つきがよく、睡眠の前半3時間ほどで深いノンレム睡眠をしっかりとって効率的な眠り方ができます。そのため休日のまとめ寝もせず、目覚めはすっきり、日中に眠くなることもありません。姿月さんは、その条件を満たしているようですね」(渋井先生)

 多忙にもかかわらず肌はツルツル、目はイキイキ! 聞けば昨晩も3時間睡眠だというが、

「眠りに関わるストレスゼロです!」

 と微笑(ほほえ)む姿月であった。

 

〈プロフィール〉
姿月あさと◎1970年大阪生まれ。’87年宝塚歌劇団入団。’98年、宝塚に65年ぶりに誕生した「宙組」トップスターに抜擢。’00年退団以降、ソロボーカリストとして活動。’17年、デビュー30周年を迎えた。

〈最新情報〉
今年、デビュー30周年を記念したリサイタルを3シリーズで開催決定!
4月29日(土)・30日(日)TBS赤坂ACTシアター、7月2日(日) 長野・大賀ホール、9月23日(土)EXシアター六本木にて。