カラフルでキュートなこの人形、ご存じですか? これは宮城県東松島市・陸前小野駅前の集会場で生まれた”おのくん”。1足の靴下から作られたソックモンキーと呼ばれる人形なんです。震災から6年たった今も仮設住宅で暮らす人々がいる東松島で、被災地を支えるシンボルとして親しまれています。

1体ずつ手縫いのため、1つとして同じおのくんはいないそう 撮影/齋藤周造

「最初は暇だったから始めたの(笑)。いろんな人がこの集会場に集まるし、話題になればいいかなってくらいの気持ちでしたね」

 と話すのは小野駅前応急仮設住宅自治会長で、おのくんを手がける小野駅前郷プロジェクトを立ち上げた代表の武田文子さん。

「ここの子どもたちに、ボランティアの方がソックモンキーをプレゼントしてくれたんです。それを見て、自分たちでも作れるんじゃないかなって’12年4月20日にみんなで始めて。でも、縫うのが難しいので“めんどくしぇ”とか言いながらやってたんです(笑)」

 ボランティアで携わった人などを介して口コミで広がり、1つ1000円の支援で“里親”になれるため訪れる人が急増。おのくんと里帰りしてくれる人も多いそう。

「町を知ってほしい、来てほしいという思いも込めて作ってます。いつも心の支えになったし、いろんな人とつながれて、おのくんに出会ってから余計なことを考えている暇がなかったですね」

 “めんどくしぇ”から生まれた人と人をつなぐおのくん。あなたもぜひ会って里親になってみては?