「おじいちゃんの家に将棋盤があったので、小さいころから好きだったんです。今回、本格的なレッスンを受けて、将棋連盟よりアマチュア初段をいただきました! これからも続けていきたいです」

 連載10年目を迎える羽海野チカ原作の『3月のライオン』が、前編・後編の2部作となってこの春に公開される。17歳のプロ棋士・桐山零を演じた主演の神木隆之介は、原作者、監督、製作サイド全員の強い希望だったと聞き、そのことを本人へ伝えると「そうなんですか? うれしいです!」と、表情を緩ませた。

神木隆之介 撮影/廣瀬靖士

 対局する棋士たちには佐々木蔵之介、伊藤英明、加瀬亮などそうそうたるメンバーが。

「やはりほかのキャストの方々の名前を聞いたときはプレッシャーを感じました。ただ、以前共演させていただいた方も多くて、緊張しながらも楽しかったです。助けていただきながら撮影も進んで、“桐山零”として存在して生きることができたと思います」

 零を演じるにあたり、特別な役作りは何かした?

「特別なこと……特に前編では、“乾いた瞳”を意識しました。質感で言えばマットというか、何を考えているんだろう? と思っていただけるような感じにしたいねって監督と話したんです」

 髪の毛も自分で切ったとか?

「そうなんです。自分で切りました。もちろんメイクさんに指示していただきながらですが、零だったら美容室に行かないのではないかということで」

 髪の毛を触りながら「特別なことだと思っていなかった(笑)」と少し照れながら話す姿が、神木自身に根づく役者としての生き方を感じさせた。そんな神木にも、意外な素顔が。

「僕は打ち上げとか私服で集まる場が落ち着かないんです。普段は用意していただいた衣装を着て現場にいるからか、私服になった途端に“みなさんとどのように接していたかな”と不思議な感覚になります。だからこそ、僕にはやはり芝居しかないんだと思います」

神木隆之介 撮影/廣瀬靖士

 とはいえ、息抜きも必要なのでは?

 休みの日の過ごし方を聞くと、先日、同じ事務所の松島庄汰と箱根の温泉に行ったそう。

「レンタカーを借りて、日帰りだったのですが、すごく楽しかったです! あえて海老名インターでご飯を食べて、2人でゆるキャラのキーホルダーをおそろいで買いました(笑)。海外で行ってみたいと思うのは、フィンランドとかスイス。でも、僕は寒いのが苦手で(笑)。最近は台湾も行きたいです。

 建物の形とか光の使い方が独特で、屋台もおもしろそうで興味があります」

 神木には“写真好き”という一面もあり、携帯のフォルダの中には風景などを写した写真が3000枚ほどあるとか。人物を撮りたいと言うが、今、いちばん撮りたい人は?

「ずっと前から、佐藤健くん。健くんもなかなか忙しいので、会える機会が少なくて……。でも、ずっとアプローチし続けたい人です(笑)。何を抱えて何を考えているのかわからない、写真1枚にしてもいろいろな気持ちにさせてくれそうな、そんなつかみどころのない魅力にすごく惹かれます。でも、僕がこだわりすぎて健くんに“早くしてよ”と怒られながら撮影することになりそうですね(笑)」

将棋仲間はあのイケメン!

 誰かと将棋をさすことは?

「先日、別の現場に将棋盤を持って行ってひとりで将棋をしようと思ったら“僕できるよ~”と声をかけてくださったのが岡田将生さん。“ぜひ!”とお願いしました。そのときは僕が勝ちましたが、岡田さんも将棋をしていたらしくて強かったです!」

 そういうコミュニケーションって素敵ですね!

「すごくほんわかしていて、とにかくいい人なんです。以前『平清盛』(’12年)で頼朝と義経として共演したときは、僕が殺されそうになる役だったのですが(笑)。将棋の趣味も合うし仲よくしようって話して、お互い遠慮するのはナシと決めて。“今から1時間後なにしてる?”って連絡をとって、2人でご飯を食べに行くこともあります」

〈公開情報〉
『3月のライオン』
【前編】3月18日(土)【後編】4月22日(土) 2部作連続・全国ロードショー
出演:神木隆之介、有村架純、倉科カナ、染谷将太、佐々木蔵之介、伊藤英明、豊川悦司、ほか

(c)2017映画「3月のライオン」製作委員会