高橋ジョージと三船美佳

 2月22日放送の『モシモノふたり』(フジテレビ系)で娘に対する苦しい胸の内を「(養育費を)本当は払いたい。だけど、どの学校に通っているのか、どこにいるのかもわからないから払えない……」と吐露したのは、高橋ジョージ。昨年3月に元妻の三船美佳との“泥沼裁判”を経て離婚が成立し、ひとり娘の親権は三船に渡ったのだ。

「高橋は娘との面会をめぐり、“面会交流調停”なる申し立てをしていました。これは、別居中の子どもとの面会方法について話がまとまらず家庭裁判所に調停を求めるものです」(ワイドショースタッフ)

 しかし高橋は離婚に同意する際に、面会交流調停の申し立ても取り下げたという。結果、娘との面会に関して“三船が年2回、娘のカラー写真を高橋に送る”という条件で落ち着いたのだ。しかしなぜ、面会を熱望していた高橋がこの条件をのんでしまったのか。

「裁判の過程の聞き取り調査で、高橋の娘が“父親を極度に恐れている”と証言していたんです」(三船に近い友人)

 日本では、離婚後に子どもと別居することになった別居親は“面会交流権”が認められる。

「面会交流権とは、子どもと離れて暮らす親が直接子どもと会って交流する権利のことを主に指します。同居親から写真や通知表を送ってもらったり、贈り物を渡してもらったりといった間接的交流を行う権利もそこに含まれます」

 そう話すのは、『わが子に会えない 離婚後に漂流する父親たち』(PHP研究所)などの著書があるライターの西牟田靖氏。高橋にもその権利が認められるはずなのだが、子ども本人が“会いたくない”と証言している場合、その意思が尊重されてしまうのだという。高橋は娘の証言が決定的になり、面会交流が難しくなってしまったというわけだ。

スピードワゴンの井戸田も苦しむ

 一方、高橋ほどではないにしろ、娘に会えない苦しみを味わっているのがスピードワゴンの井戸田潤。'05年に女優・安達祐実と結婚して娘をひとりもうけるも、'09年に離婚し、娘とは離ればなれに暮らしている。

井戸田潤と安達祐実

「“娘と会えない日々が続いてつらい”とラジオで話していました。その反動なのか、娘さんと会える数少ない貴重な日の出来事を自身のツイッターで紹介しています」(芸能プロ関係者)

 3組に1組が離婚するといわれている日本では、同じように“悲痛”な思いをしている親も多いことだろう。

 面会交流の支援をする『一般社団法人びじっと』代表の古市理奈さんは、

相談件数はものすごく増えましたね。うちは今年で10年目になるのですが、毎年増加しています。数が増えたことで、面会交流の際に子どもの安全性を十分に配慮するように気をつけています

 面会交流に関する“紛争”が増加傾向にある中で、どんな理由だと子どもとの面会が認められないのだろうか。『弁護士法人・響』の徳原聖雨弁護士は、

「面会を認めるかどうかは、子どもの福祉の観点から判断されます。子どもの福祉とは子どもの年齢や性別、性格、生活環境などの事情です。虐待や暴力、アルコールやギャンブルに依存していて子どもに悪影響が考えられる場合には、面会が認められないこともあります」

 続けて徳原弁護士は、別居親が原因で面会が認められなかった過去の事例を紹介する。

そもそも離婚した原因が元夫の暴力にあり、元妻がPTSDと診断されて心的な手当てが必要なケースで元夫との面会が認められなかったことがあります。母子の生活を立て直す段階で面会させてしまうと、生活の安定を害してしまう危険性があったからです

 親権を持つほうの親が原因で面会できなくなるケースもあるという。

「同居親が相手を憎んでいたり恐怖心を抱いていて“子どもを会わせたくない”という心理が働きます。そうすると、そんな親の気持ちを子どもが無意識に取り込んで“会いたくない”と言ってしまう場合が多いのです。その子どもの意思を尊重するのが司法なので、面会が難しくなります」(古市さん)

 離婚したとはいえ子どもに会いたいと思うのが親心。愛するわが子との面会を果たすために必要なことは何か。

「焦らず平常心を持ち続けることが何より大事です。長期戦を覚悟し毅然と闘うか、機嫌を損なわないよう全面的に譲歩するか。前者だと係争が長引き何年も会えていないケースはザラ。後者だと相手のDV主張を受けとめた末、条件無制限の面会交流を勝ち取った例がまれですが過去にはありました」(西牟田氏)

 面会交流を希望する親に共通して言えるのが、“親としての自覚が足りないこと”だというのは、前出の古市さん。“親の心構え”も大事だと指摘する。

自分の感情やプライドを優先してしまい、“子どもにとって何が大事か”をなかなか考えられない親が目立ちます。

 同居親は子どもを自分と一体化させてしまって子どもが両方の親を必要としていることを理解できず、別居親は威圧的な態度を取り、“暴言”などの精神的虐待とも言えるような方法で子どもをコントロールしようとするケースが少なくないのです。もうひとりの親を責めるのではなく“自分にも責任があること”に気づかなければ、いつまでたっても状況は変わりません

 大人の“反省”と“努力”が求められている。