昨年10月からスタートしたNHK連続テレビ小説『べっぴんさん』も、4月1日の最終話まであとわずか。ヒロインのすみれをはじめとする登場人物たちに何度も感動&涙し、気になるイケメン男子がブレイク! と、毎日の楽しみだった今作の裏話をたっぷりお届けします。
『キアリス』創設の4人、実は……
「オフの時間に、課題のお裁縫をみんなでやっていることもありますし、他愛もない話をしてるシーンも見受けます(笑)。ベタベタ仲よくやっているっていう感じでもなく、出入り自由っていうか、ナチュラルな感じで集まっている。その距離感が見ていてもすごくよかったです」(制作統括・三鬼一希さん)
「『キアリス』の女の子たちは、すごく可愛かったです。すみれちゃん(芳根京子)も、良子ちゃん(百田夏菜子)も、君枝ちゃん(土村芳)も、明美ちゃん(谷村美月)も含めて、ほんとにキュートでよかった。愛らしかったですね」(脚本・渡辺千穂さん)
カッコいい男は素顔も男前だった
「紀夫さん(永山絢斗)は、ほんとに可愛らしい人。気持ちが高ぶると叫んでしまうような、ちょっと変わったところがいいですよね(笑)。子ども時代から、大人になっても、おじいちゃんになっても可愛らしい。そして、栄輔役で大人気の松下優也さんは、不思議な魅力のある方だなと思って。フレッシュさもあって、成熟さもあって、色気もありますよね。これからどんな役をやっていくのかなって、楽しみです」(脚本・渡辺千穂さん)
「高良健吾さんも永山絢斗さんも、むちゃくちゃカッコいいんですけど、ものすごく熱い人たちなんです。兄貴分で、演じている役そのもの。ドラマの潔さんと紀夫くんの関係性もそうですが、永山さんと高良さんは、以前も共演されていて気心が知れている。若手の出演者も多いので、兄貴分として引っ張っていってくれているように見えました」(制作統括・三鬼一希さん)
ここまで!? こだわりのセット
「すみれちゃんの性格が、とっても優しくて、包み込むような雰囲気なので“やわらかい色合い”に、全体を通してこだわりました。
ただ『キアリス』については、現地での取材の中でベビーショップならではの機能を多く知ることができました。例えば、改装してからの『キアリス』は、バリアフリー化しているんです。赤ちゃんが転んでもケガがないように、段差のないフローリングになっていたり、ベビーカーで来る人のために、スペースも広々としている。
実際に、『べっぴんさん』にご協力いただいた、赤ちゃん子ども服のメーカーさんのお店は、そこまでこだわっているんです。そこが“べっぴん”たるゆえんなんだなって。ぜひ、ちゃんと表現したいと思いました。
キアリスは、どんなにお店が成長して大きくなっても、手作りのものだけを置いて温かさを出しています。包装紙のリスのイラストも手描きだし、花のディスプレーも手作りなんですよ」(映像デザイン・伴内絵里子さん)
ディスプレーは〇〇〇目線
「ショーウインドーも、実際に赤ちゃん子ども服のお店で働いていた方々に来ていただいて、お話をうかがいながら一緒に作っていったんです。最初は、ショーウインドーの真ん中ぐらいに、お花をチョンとつけたんですね。テレビ画面を意識して。そうしたら“ここにはつけないです。もっと下”って。それはまさに子ども目線。この高さがいちばん目につくでしょうと。なるほどって勉強になりました」(映像デザイン・伴内絵里子さん)
男子会“タノシカ”で男たちは息巻く
「僕的にはこの男会を入れておかないと、ちょっと気持ちがスッキリしない(笑)。脚本の渡辺さんと話をして、今回は女性の話だけれども、旦那さんだけの会話もぜひ入れてくださいと。思っていることがあっても、実際、家に帰ったら絶対に言えないわけですよ、嫁さんには(爆笑)。タノシカで息巻いてるくらいは、勘弁してくださいっていうのが、男の言い訳かな」(制作統括・三鬼一希さん)
「徹底して昭和感を出しました(笑)。港の近くの煙がモクモクたいてるような路地、狭い場所にデコラ調のテーブル。男の人たちが肩寄せ合って、グチをここだけで言えるって、なんかこう、可愛いなって」(映像デザイン・伴内絵里子さん)
昔を再現! ジャズ喫茶『ヨーソロー』
「私はまったく知らない時代なので、当時の写真を調べたり、時代考証の先生に聞いたり、神戸のジャズ喫茶を回ったりしたんです。まだ、そのころからのお店が、何軒かは営業しているんですよ。
ドラマの中だから虚構だけど、絶対ついちゃいけないウソはあると思うので、実際にその時代を知っている人たちにも、納得していただけるような世界を作り上げたくて。ドアのガラスの手描きの白い文字や、照明のランプも。こういうお店、昔にあったな”って、そういう雰囲気が伝わるようにと」(映像デザイン・伴内絵里子さん)
ドラマの家をぐるり体感できる
「番組のホームページやハイブリットキャストのコンテンツとして、360度ビューを始めました。みなさんに、現場にいるような生の臨場感を感じてほしくて。キアリスも商店街も、すみれのお家も、ヨーソローも、ぜひ体験してみてください。
商店街は戦前から始まって、戦後に物がなくなって、また物が増えてきて、その中で、お店が成長していくという流れもあります。当時の神戸を調べていって、そこで生活していた方たちにも、いろいろ取材して、その時代時代の街の変遷を表現しました」(映像デザイン・伴内絵里子さん)