陛下の学生時代のあだ名のモデルとなった蚊取り線香を入れる茶ぶたの陶器

「佳子さまブーム」や「生前退位」など何かと皇室ニュースへの注目が高まっている昨今。ここでは、そんな皇室にまつわるトリビアを一挙公開。今回は天皇皇后両陛下編!

両陛下新婚時代の「カレー対決」

 天皇陛下は皇太子時代、お住まいの東宮御所で美智子さまと“料理対決”をされたことがあると話すのは、元宮内庁職員で皇室ジャーナリストの山下晋司さん。

「宮内庁の先輩から聞いた話ですが、新婚時代に別々の鍋でそれぞれ“カレー”を作られたことがあったそうです。それを食べた職員に“どちらが美味しかったか”とお尋ねになったのですが、両方とも美味しかったので、そのとおりお答えしたそうです。

 味はそれぞれの好みでしょうが、陛下のは少し濃いめで、皇后陛下のは少し薄めだったそうです」

皇太子さまの“音楽の原点”

 陛下がチェロを弾かれていた影響で、皇太子さまも幼少のころはチェロにご興味が。しかし、子どもにはチェロは大きすぎるためバイオリンを始められて、現在はビオラを弾かれている。その裏には美智子さまの“しつけ”が。

 皇室を長年取材するジャーナリストで文化学園大学客員教授の渡邉みどりさんによると、

「皇太子さまがお小さいころは“お稽古はしたくない”とお住まいの庭にある砂場にはりついて離れないことがありました。そこで美智子さまがなだめられてお稽古をさせて、今ではオーケストラの一員としてコンサートに参加されるまでの腕前になったのです。美智子さまが尽力されたことで、皇太子さまが音楽をたしなまれるようになったことは素晴らしいことだと思います」

陛下が愛する『チキン弁当』

 両陛下は軽井沢ご静養などで地方を訪れる際は、新幹線を使われることがある。そのときに陛下が召し上がるお弁当には“お気に入り”が。

東京駅の売店で販売している駅弁『チキン弁当』がとてもお好きなんです。陛下がまだ結婚される前に軽井沢へ列車で向かわれていたころからのファンだそうです。今でもたまに召し上がっているみたいですよ」(宮内庁関係者)

 '64年に販売が開始されて今も愛され続けている“超ロングセラー”。陛下がお気に入りなのも納得。

女性皇族の衣装は1回きり?

「女性皇族の方々は、お出ましの際にお召しになった洋服を別の機会に再び着ることはないとお聞きしたことがあります」(皇室ジャーナリスト)

 しかし、前出の渡邉さんはこう説明する。

「2度とお召しにならないわけではありません。美智子さまは皇太子妃時代にお召しになったものをリフォームされて、皇后になられてからも何度もお召しになっています」

 渡邉さんは過去にあった美智子さまの“アレンジ服”についてのエピソードを明かす。

'87年の米国訪問の折に、レーガン大統領夫妻主催の晩餐会でお召しになったドレスの胸元には“花みず木”をあしらっておられるのですが、佐賀錦の“つまみ”という手法を使ってブローチ式にして取りはずせるものでした。

 そのドレスを'92年に来日したペルーのフジモリ大統領を歓迎する晩餐会で、花みず木をバラのモチーフにつけ替えてお召しになったのです

 宮内庁総務課報道室にも問い合わせてみると、

「お召し物については、常にお会いになる方々をお思いになって、お心を配っておられます」

 お召しになる洋服には“真心”が込められているのだ。

天皇陛下のあだ名は“チャブ”

 陛下は学生時代に学習院に通われていたが、中等科1年生のときには、こんな「あだ名」がつけられた。

「同級生のひとりが陛下の肌のお色があさ黒いことから“素焼きの茶ぶた”とはやし立てたのです。

 一緒にいた学生たちも大笑いして、あだ名が“チャブ”に。みんなは蚊取り線香を入れる陶製の器を想像したんです。その際は陛下も苦笑されたそうです」(宮内庁OB)

結婚50周年に際しての記者会見でも美智子さまは“麦の穂のブローチ”を('09年4月)

美智子さまの“勝負ブローチ”

 普段は真珠があしらわれたネックレスやブローチを身につけられる美智子さまだが、大切な会見やご訪問では“麦の穂”のブローチをおつけに。

美智子さまがお使いになっている“麦の穂のブローチ”は銀婚式のときにご両親からプレゼントされたものです。お父様が日清製粉の社長をやられていたことから小麦粉の原料となる“麦の穂”をモチーフとしたブローチにされたそうです」(渡邉さん)

 大切な場面で、ご両親に見守っていてほしいという願いが込められているのかもしれない。

皇太子妃“初”の“専用キッチン”

 美智子さまは結婚当時、今の陛下に手料理を振る舞いたいという気持ちをもっていらっしゃったという。新築されたおふたりのお住まいには料理を担当する宮内庁の大膳課とは別に“美智子さま専用キッチン”が備えられたのだ。

「美智子さまはカレーやスープをお作りになるのが得意です。美智子さま以前の皇太子妃は、台所に立つものではないという風潮がありました。

 しかし、美智子さまは、お子さま方にお弁当を作ったり、朝に温かいものを食べさせたいという思いから、皇太子妃として初めて御所にキッチンを作られました」(渡邉さん)

美智子さまと絵本の強いつながり

 '91年に『はじめてのやまのぼり』(至光社)を出版されるなど、絵本に造詣が深い美智子さま。『3・11絵本プロジェクトいわて』にも、14冊の絵本を贈られている。

「『東京子ども図書館』による、在日日系ブラジル人の子どもたちへの読書支援活動にも協力を続けておられます。

 日系ブラジル人の多い愛知県豊橋市が中心で、日本語の絵本をポルトガル語に翻訳する活動です」(出版関係者)

タヌキの研究もされる天皇陛下

 陛下が魚類学者ということは有名な話だが、タヌキの生態についての論文も出されているほどお詳しい。'16年10月には皇居内に生息するタヌキの“フン”を調べて論文を発表された。

「5年間にわたって合計261回、お住まいの御所近くでフンを採集されました。

 その結果、タヌキの主要食物がムクノキやクサイチゴなどで、皇居内ではタヌキが生息できるえさ資源が安定的に供給されていると判明したのです」(宮内庁関係者)

美智子さまは教員免許をお持ち

 '14年10月に東京都中央区の日本橋高島屋で特別展『天皇皇后両陛下の80年―信頼の絆をひろげて』が開かれた。

 展示の中には、美智子さまが、聖心女子大学時代に取得した中学と高校の英語の教員免許も並んでいた。

教職課程の中に興味のある授業があったことと将来、役に立つ場合があるかもしれないと思って取得されたそう。教育実習もされて“とてもいい経験だった”とおっしゃっています」(宮内庁関係者)