「芸能人の子どもの“お受験”がこんなに騒がれるようになったのは、ここ数年のことですが、その“お受験”事情も最近は少し変わってきました」(スポーツ紙記者)
芸能人といえば子どもを有名私立校に通わせるというのが定番だが、それはなぜなのか。その理由について、
「まず、セキュリティーがしっかりしています。たいていの私立校には監視カメラがついていますし、警備員が常駐しているのは当たり前です。運動会などの行事も、招待状や身分証明書がなければ校内に入れませんからね」(教育ジャーナリスト)
不審者の侵入や誘拐などの犯罪に対する備えでもあるが、芸能人にとっていちばん気になるのはやはりマスコミ。マスコミの目から子どもを守りたいと思うなら、私立に入れるのが得策といえる。
また、私立の強みは“お受験”対策。
「一貫校の場合は、小学校さえ受かればその先、中学校、高校へ受験なしで進学できる場合が多く、また“お受験”対策に特化したところもあって、他校に進学しようとする場合も楽だといえますね」(前出・教育ジャーナリスト)
“お受験”に詳しい『アンテナ・プレスクール』の石井至校長はこう語る。
「私立にデメリットはほとんどありません。あえて言うなら、学費がかかることと通学に時間がかかる場合もあるということなどでしょうか」
お金に余裕のある芸能人なら学費や通学に何の問題もないだろう。そんなわけで芸能人の多くが子どもを私立の学校に通わせているのだが、最近になって、その傾向が少し変わってきているという。
「私立に比べプライバシーを確保することが難しいとわかっているはずなんですが、公立に入れる人が増えてきているんです。昔は芸能人も一般人と変わらず子どもを公立に通わせていたんですけどね」(前出・スポーツ紙記者)
すでに子どもを公立の学校に入れている芸能人として、『さまぁ~ず』の三村マサカズや辻希美・杉浦太陽夫妻、『品川庄司』の庄司智春・藤本美貴夫妻。
そして子だくさんで知られ、3男3女の子を持つ谷原章介などがいるが、先日、『週刊女性』は長男と一緒に入学式に出席した瑛太をキャッチした。長男がこれから通う小学校は都内の区立小学校。そこには谷原の子どもも通っているという。
「わが家ではお受験はしないことに決めました」
そして最近聞こえてきたのは、『オリエンタルラジオ』の中田敦彦の話。彼は'12年に福田萌と結婚して翌年7月に長女が、今年1月には長男が誕生した。
長女が1歳になると、超高級プレスクールに通わせるなど“お受験”に備えているように思えたのだが……。その彼が昨年、ウェブマガジン『日経DUAL』の連載でこう語っている。
《わが家ではお受験はしないことに決めました。中学も私立の受験はしない予定で、高校、大学も、娘にはできれば国公立に行ってもらいたいと考えています》
中田といえば慶應大学経済学部の出身という高学歴芸人のひとりだが、小学校は市立、中学校、高校は国立に通っていた。さらに彼が公立にこだわる一番の理由を、
《やっぱり経済的な問題です。僕達は第二子、第三子を望んでいるので、全員が私立を受験するとなると…家計を圧迫してしまいます》
としているが、もっと大きな理由として、
《わが子の能力を信じたいから。こちらが環境を与えずともきっと自分で勝ち取ってくれるだろうと》
これには《アッちゃん、さすが!》という賛同の声が多く寄せられた。
前出の石井校長は公立を選ぶ理由をいくつか挙げて、
「私立を受験したが合格しなかった。お金がかからない。近所にあって通学が楽。温室育ちにしたくない。中学受験する場合は公立の小学校でサピックス(難関中学受験を対象とした学習塾)に通うほうがいい。などが考えられますね」
私立に勝るのはお金と通学の面くらいだという。
ただ、売れっ子の中田が、はたして本当にお金に関して不安を抱いているかは疑問だが、
「何本もレギュラー番組を持っていたり、帯番組の司会などもやっているお笑い芸人は収入も多いと思いますが、そうじゃない人たちは、それほど稼いでいないのが現実です。
年間100万円を超す授業料を払い続けるのは大変だと思いますよ。また今は、売れていても、いつ人気がなくなって仕事もなくなるかわかりません。中田の場合も、仕事が少なくなったときがありましたからね」(芸能プロ関係者)
彼らが公立を選ぶ理由のひとつに、お金以外の親の負担が挙げられるそうで、
「私立の場合、毎日の送迎を必ず父母がしなくてはいけないところもありますし、バザーや体育祭など親の参加が必須の行事がしょっちゅうありますからね。忙しい芸能人にはかなりの負担ですよ」(前出・スポーツ紙記者)
公立でも私立でも《子育ての最終地点は子どもが巣立つこと》(中田)に違いはないんだけどね─。