「私はすんなりと入場できたんですが、開演時間になっても席が半分も埋まっていませんでした。時間になるとJr.の“影アナ(声のみのアナウンス)”が始まってラジオみたいにそのまま続いて。 “おかしいな”って思って聞いたら“入場トラブルだ”って……」(コンサートに参加した女性ファン)
4月8日に、さいたまスーパーアリーナで開催された『ジャニーズJr.祭り』で、デジタルチケットの不具合が発生した。すでに“チケット”を手にしたはずの多くのファンが開演時間までに入場できなかったのだ。
のちに運営会社はジャニーズ公式HP内で、
《本来、存在しない座席番号がチケットに印刷されてしまっていることが、開場後すぐに発覚いたしました。そのため、一旦全ての皆さまの入場を停止させていただき、新たなチケットの印刷を行いました》と、トラブルの説明とお詫びを掲載。今後の再発防止に努めるという。
会場ではその後、先輩アイドルのライブ映像などを流して場をつなぎ、再びJr.が、
「システムトラブルが起きて、まだ100人くらい入場できずにいます。あと5分だけ待って!」
とアナウンス。結局、約90分遅れでスタートしたのだが、
「設備機材の真後ろの席に通されたファンもいました。本来なら使わない席だったんでしょうね。“全然、ステージが見えない”と、途中で席を立つ子たちもいました」(前出・女性ファン)
同会場では4月7日、9日にも公演があったが、トラブルが生じたのはこの日だけ。とはいえデジタルチケット導入を本格的に進めているジャニーズだけに不安が募る。
「詳しい状況がどうだったのかはわかりませんが、(QRコードの)読み取り機が正常に作動しないなどのトラブルはたびたびあることと聞いています。ですが、事前の防止策が甘かったところがあるのかなと思います」
それでも主流になるデジタルチケット
ITジャーナリストの井上トシユキ氏は、ジャニーズ公演に限らず起こりえたトラブルだと話す。また、今後はやはりデジタルチケットが主流になっていくと見ている。
もともとは相次ぐコンサートチケットの転売を防止する目的で、各プレイガイドが取り入れ始めたデジタルチケット。ただスマートフォン使用を前提としているだけに、“ガラケー”では利用機種が限られてしまう。また応募こそPCでもできるが、携帯電話を所持していないと入場できない不都合もある。
それでも、
「例えば、深夜に小中学生が出歩くことは風紀上よくないという議論もあるので、デジタルチケットになることでスマホを持たない子は夜のコンサートに行かなくなるという考え方もあると思います。
また高齢者の方も今ではスマートフォンやタブレットを持たれている方は多いですし、コンサートに興味のある方は格安スマホを購入されるんじゃないでしょうか。
デメリットはないものと思われましたが、機器トラブルが起きることもありますし、何より落としたり壊したりなくしたりしたら入場できません。これはチケットに限らずですが、私たちの生活においてスマホはかなり重要になりましたからね」(井上氏)
同様に画面にひび割れがあるとQRコードが読み取りにくくなり、充電切れにも細心の注意を払いたい。
ジャニーズでは今後、5月3日にJr.祭り大阪公演、5月13日から始まるKis-My-Ft2コンサートツアーで、デジタルチケットが再び使用される。ファンは情報交換に追われているようだ。
「今回のJr.祭りでもやっぱり掲示板サイトではQRコード自体が転売されていました。でも“チケットが余っている”とウワサもあったので、定価の半値以下で出品される始末ですよ。
それでいて入場時には顔認証どころか、身分証確認もいっさいなかったんです。結局、ジャニーズは転売“撲滅”と謳っていますけど、デジタルチケット導入もただの“ポーズ”なんじゃないか、って」(前出・女性ファン)
すべてが好都合にはいかないようだ。