書店の映画雑誌コーナーを木村が独占

 4月29日に公開される木村拓哉主演の映画『無限の住人』が、『第70回カンヌ国際映画祭』のアウト・オブ・コンペティション部門に選ばれた。

 SMAP解散後、“キムタク”の地位を守るために必死だという事務所サイドは、チケット販売にも余念がない。

 前売り券販売は2月上旬と早く、クリアファイルの特典つき。またセブン-イレブンネット限定で木村が演じる『万次』とのコラボマスコットつきチケットも公開前日まで予約受け付け中だという。

 さらには東京都交通局のポイントサービス『ToKoPo』に加えて、大手ネイルサロンとのタイアップなど幅広く展開。NHKまでもが4月20日放送の『SONGS』で、主題歌を歌うMIYAVIとの共演をセッティング。とにかく木村を盛り上げようと業界中が後押ししているのだ。

昨年10月くらいからプロモーションは稼働していたらしいです。普段なら木村さんの独占取材って難しいんですよ。でも、ラッシュ(未完成版)を見ての取材の際に、各媒体に“(ジャニーズ事務所から)表紙でやるのならOK”という話が来ていると伝えられたそうです

 とは映画ライターのよしひろまさみち氏。

 なんでも独占インタビューの“逆オファー”があったのだとも。たしかに現在発売されている映画専門雑誌はほぼすべて、ファッション誌や週刊誌までもが木村が表紙を飾り、『無限の住人』をメインに語っている。さらに女性誌『FRaU』5月号にも登場、《圧巻の1万字インタビュー》に答えた。中にはSMAP解散に触れるような突っ込んだ内容も。

《今そうですね……(しばらく考えて)いい選択にしていかなきゃいけない部分もあるよね。“なんで?”っていう選択を強いられた部分もあったけど、そういうふうになったのであれば、それをいい方向にしていかないと自分が嫌だっていうことよりも、そうしていかないと、今まで思ってくれた人たちに対して“どうすんの、それ!?”って》

 と、とにかく露出しすぎなくらいの宣伝活動にいそしんでいるのだ。しかし、この過剰な露出が本編公開時には逆効果になることもあるそう。

宣伝で予告編や出演者インタビューを何度も見せられる。話題になるほど、お客はもう映画を見なくてもいい気分になるおそれがあります。最近の大ヒットは公開後の口コミで徐々にという傾向が多いですから」(映画雑誌編集者)

 当然、特に試写会を開催すればするほど、公開前に“見た人”は増えていくわけで、

「どうしてもネット上に情報が流れやすくなるんです。とくに最近ではSNSやレビューサイトの感想を参考に、見たい映画を決める人も多いですからね。試写会で見た人が、公開前に内容を必要以上に暴露、“ネタバレ”する危険性も潜んでいるのです」(同・映画雑誌編集者)

 実際、すでに《試写会に行きました》との声も多く、《万次は〇〇というわけではない》《〇〇で気持ち悪くなったらどうしよう》《内容の八割が〇〇》などの声(〇〇は編集部伏せ字)や、ラストシーンに関わるネタバレも見受けられた。

 そして大方のレビューサイトでは、5点満点中3点台がほとんどと並みの評価。公式でも売り文句にしている「“ぶった斬り”エンタテイメント」が、賛否がつけられた一因だとも。

お子さんにはちょっと無理かも……

熱心なファンはおそらく試写会に応募して見ているわけで、公開後に映画館に足を運ぶかといったら、そういう映画ではないのかなと。

 というのも原作も“千人斬り”が売りでもある内容なので、とにかく殺しのシーンが多いんです。それを知らずに見に行ったら、始まってすぐ“エッ”となってしまうかもしれないですね。特に、お子さんにはちょっと無理かも……

 よしひろ氏は大ヒットには「“リピーター”が不可欠」と話す。人が次々と斬られる過激な演出が多い『無限の住人』は、たしかに、それを見込むのは難しいのかもしれない。

 実際、試写会では映画館に来ていた親子客に対して、

「お子さんが最後まで見ていられるか心配です」

 子どもへの影響を気遣う姿も見せていた木村。また、

試写会が行われた各映画館の外には、来場できなかったファンがそれぞれ数百人、木村さんをひと目見ようと何時間も待っていました。それに応えて車中から窓を開けて笑顔でファンに手を振り続けたのです。

 また、これからの来場者のために、映画館のポスターには直筆のサインとメッセージを書き込むサービスも。気遣いは変わりませんね」(前出・映画配給会社関係者)

 SMAP解散でコンサートや各イベントがなくなり、ファンと触れ合う機会が少なくなってしまった木村。舞台挨拶や数々の露出は映画宣伝とともに、支えてくれたファンへのせめてもの“顔見世”だったのかもしれない。