佐久間由衣 撮影/廣瀬靖士

「私、バンジージャンプが好きなんです! 茨城の常陸太田市にある竜神大吊橋で日本一高い100メートルのバンジージャンプを体験してきました」

 連続テレビ小説『ひよっこ』で、女優になるという夢を胸に抱き、みね子(有村架純)と一緒に集団就職で上京した時子を演じている佐久間由衣(22)。時子は仕事が休みの日には“敵情視察”と称して、ひとりでテレビ局や映画会社を回る行動力があるが、彼女自身もアグレッシブで、

「ロケ地の高萩には行ったことがなかったので、スタッフさんに場所を教えていただき、高速バスに乗って茨城に行きました。タクシーの運転手の方に少しおまけをしてもらい(笑)、ひとりで現場を見てきました」

 ’13年にモデルデビューし、雑誌『ViVi』で活動しながら映画にも出演。’15年には深夜ドラマ『トランジットガールズ』で初主演も飾った。

「出演したことで、演技で改善できる点はないかと、たくさん考えました」

岡田作品が大好き!

 今回、脚本を担当している岡田惠和の作品には縁を感じている。

「連続テレビ小説『おひさま』や、映画『世界から猫が消えたなら』など。本当に大好きなんです」

 “朝ドラ”は過去に2回、ヒロインを目指してオーディションを受けた。今回は有村架純が主演と決まっていたが、女優として尊敬していることと、岡田の脚本ということで、どうしても出演したかったという。

「時子は、自信があって気が強いキャラクターだと説明していただいたんですが、台本には訛(なま)っている自分がコンプレックスだったり、余裕があるように見せているけど、実は全然ないという彼女が描かれていて。いろんな面があって面白い子だなって」

 佐久間にとっては恥ずかしいシーンもあるという。

「時子は女優志望ということで、乙女寮のみんなの前でお芝居を始めたりするんですけど、私自身は恥ずかしいと思ってしまうタイプで。台本にそういうト書きがあると、“あぁ~……”と思うのですが、試練だと思って(笑)楽しんでいます」

 時子はさまざまな出会いの中、自分自身を見つめ直しながら女優という夢に向かって本格的に動き始めた。

「東京で変わっていく時子に、私自身がついていけないときもありました。女優という夢が第一で、工場の仕事にはそんなに興味がなかった彼女が、乙女寮の仲間たちに応援される中で成長しているんです。

 客観的に見て私は時子の夢がどうなるか、すごく心配なんですけど(笑)彼女の“熱”を信じて見守っていこうと思っています」