「本件、控訴を棄却する」
昨年10月に一審で3億9000万円の支払いを命じられた羽賀研二受刑者。それを不服とし控訴したが、大阪高裁は5月11日に一審の判決を支持し控訴を棄却した。
「羽賀は被害者であるY氏に医療会社の未公開株を“会社が破綻したら責任を持つ”という約束で、元値の3倍である3億7000万円で売りつけた。だが、会社が破綻しても金を返すどころか、暴力団関係者を使って脅し、1000万円に棒引きにする書類に判を押させたのです」(全国紙記者)
'07年6月に、羽賀は恐喝未遂・詐欺の容疑で逮捕。'13年に最高裁で懲役6年の罪が確定し、現在は沖縄刑務所に収監中だ。
また、株購入代金の返金を求めた民事訴訟でも一審、二審と羽賀が敗訴しており、Y氏も安堵していると思いきや、
「今年1月に羽賀が沖縄に6つの物件、合計4億円ほどの不動産を所有していることがわかりました。だが、ほぼ同時期に彼は名義を妻に書き換えているんです。刑務所に入っても、まったく反省していない。それどころか、お金を返したくないからと、まだ僕を騙そうとしている。梅宮辰夫さんが言っていましたけど、まったく彼は“希代のワル”ですよ」
と、怒りを隠さない。
羽賀が、生まれ故郷の沖縄に不動産を隠し持っていることが発覚したのは、今年はじめのこと。『週刊女性』は1月10日から沖縄で現地取材をスタートさせたが、その翌日に6つの物件が一斉に羽賀から妻の名義へ財産分与という名目で書き換えられたのは偶然なのだろうか……。
「羽賀さんが所有している3つのビルは海沿いの有名リゾート地にあり、米軍基地も近く夜はにぎわっていて、テナントは常に埋まっている。それに、住居も米兵などに貸していて、相場より高い家賃で借りてくれるんです。
また、そのほかに2つある借家も借り手がついており米軍基地へ貸している土地もひとつある。家賃の取りっぱぐれがないような玄人好みの不動産投資ですね。これなら家賃収入も月々300万円くらいはあるのでは」(地元の不動産屋)
だが、羽賀は4億円ともいわれる不動産を持ちながらも、法廷ではそれを隠し続け、お金に窮していると主張し続けていた。
「一審のとき、羽賀はお金がないので数百万円で和解してくれないかと持ちかけてきたんです。そのとき、僕は彼がそんな資産を隠し持っているなんて知りませんでした。
しかも、彼は高裁へ控訴するための手数料182万円を“お金がないから”という理由で、訴訟に必要な費用を払えない人を救助する『訴訟救助』を申し立て、裁判所に認められているんです。僕だけじゃなく、国だって騙されているんじゃないですかね」(前出・Y氏)
そして、所有している不動産を素早く妻へ財産分与した羽賀。だが、Y氏もこのまま手をこまねいているわけではない。彼の代理人も厳しい口調でこう指摘する。
「羽賀氏を近く那覇地検に強制執行行為妨害罪で告発する予定です。おそらく離婚して財産分与したのだろうと思いますが、6つの不動産をすべて名義変更しているのは財産隠しの疑いが強い。もし実刑になれば、さらに刑期が延びることになるでしょう。逃げ得は許さないですよ」
満期であれば'19年に出所予定の羽賀。だが、それが延長される可能性はあるのか。
そこで、刑法に詳しい『弁護士法人・響』の徳原聖雨弁護士に聞いてみると、
「強制執行行為妨害罪で逮捕される可能性はあると思います。昨年10月に一審で被害者への支払い命令の判決が出ており、そのような状況の中で財産分与をするというのは、強制執行を免れるためではと裁判所に思われる可能性はあるでしょう。この時期の離婚が正当なものなのか裁判所は厳しく見ると思います。
また、強制執行を免れるために奥さんも協力したとみなされれば、共犯ということで罪に問われることになるでしょう。法律上は3年以下の懲役もしくは250万円以下の罰金ですが、数億円という額ですので罰金ですむ話ではないと思います。執行猶予がつく可能性もありますが、非常に厳しい判決になることも考えられます」
羽賀はなぜ、財産隠しと疑われるような行為をしたのか、彼の代理人に質問状を出したが、期限までに回答を得ることはできなかった。
「羽賀が梅宮アンナさんと付き合っていたころ、彼が僕と何人かで飲んでいたときも、ずっと梅宮辰夫さんの財産の話ばかりしていた。“そんな話やめときな”と言っても、意に介さずお金の話をし続けていたんです。羽賀はお金のためなら人を騙すことも、なんとも思っていないのでしょう」(前出・Y氏)
現在も刑務所で服役している羽賀。彼が被害者に誠意を見せる日は来るのか……。