舞台で輝きを放ち、生で会える(見られる)俳優が本当に仲のいい俳優を指名してトークする「生で会えるイケメンリレー対談」、通称“生イケ対談”連載。

 第12回は、荒木宏文さんが松下優也さんを指名! 『週刊女性』本誌(2017年7月4日号)のスペシャル対談の続きを、たっぷりお楽しみください。

左から荒木宏文、松下優也 撮影/森田晃博

優也に合いそうな女性はものすごいエロい人(笑)

――本誌掲載の対談で松下さんは、荒木さんが女性からの好意に鈍感だと言っていましたが、私から見ると、荒木さんは女心に敏感そうに見えますよ。

松下 荒木くんは穏やかやし余裕もあるから、女性からするとたぶん、行きやすいと思うんですよ。

荒木 おお~!

松下 でも、なんかね~僕の勝手な想像ですけど、その子がほんまにすごく荒木くんのことが好きで、じゃあ荒木くんの家に行きましたってなっても、たぶん何もないまま終わっていくんやなって(笑)。

荒木 アハハハハ! いや、そうなりますね(笑)。そんなシチュエーションになる前に、早めに優也に連絡します(笑)。

松下 フフフフフ。

荒木 絶対、行動を起こさないといけませんよ! ってアドバイスくれると思う。

――恋愛においては、松下さんのほうが先輩な感じですけど(笑)、どんな恋愛観を持ってますか?

松下 僕は、友達みたいな感じの関係がいいですね。それが理想。最終的に引っ張るのは男だと思ってますけど。

――惹かれるのはどんな女性ですか?

松下 難しいな~。荒やん、俺にはどんな女性が合いそうな気ぃします?

荒木 え~! う~ん、ものすごいエロい人(笑)。アハハハハ!

松下 それ完全にビジュアルで言ってるでしょ(笑)。

荒木 優也は、いろいろなことに興味を持ってるから、彼女っていう立場で条件を出すんだったら、もうそっち側の優也の知らない世界を知ってる人だったら、ハマるのかなと(笑)。

松下 まあ、いいっすけどね、エロい人(笑)。荒木くんに合いそうなのは、「え? 妹っすか?」みたいな人。

荒木 年下?

松下 見ため的にはそういう人が、合いそうな気がするな。あとは女の子が一生懸命なほうが、荒木くんはいい気がする。僕のイメージですけど、仕事だったり、自分のプライベートだったり、荒やんのいろんなパーセンテージのなかで、恋愛はそんなに占めてないと思うんで。

荒木 ないですね~(笑)。

――仮に今、恋愛するとしたら、求めるのは、刺激ですか? 癒やしですか?

松下 完全に癒やしですね。仕事で十分、刺激的なことがいろいろあるから、自分のプライベートな部分は、穏やかで静かがいいです。

荒木 ………(沈黙)。

松下 いや、(荒木くんは)刺激でしょ?(笑)

荒木 アハハハハハ! ほんとに想像つかない。言われたら、ああ~そうだよな~って思うんですけど。でもね~、たぶん癒やしを求めたところで、俺は成立しないと思うんですよね。

松下 別にひとりのほうが癒やされるしね(笑)。

荒木 うん、そうなっちゃうんで。そうですね~、相手は外国人がいいかな。語学で新しい刺激を得られそうだし、文化も知らないから刺激もありそうだし。コミュニケーションをまずちゃんと取りたいなっていうところから。それなら自分の中でも課題が生まれそうだし。

松下 恋愛は、課題とかじゃないから(笑)。

『タンブリング』は体力的にも精神的にも追い込まれて、キツかった

――共演した舞台で印象深いことは?

松下 『タンブリング(FINAL)』は体力的にも精神的にも結構追い込まれて、キツかった。マジでもう一生やりたくないですね(笑)。

荒木 すごかったですよ。生徒役で出ているみんなはほんとに大変そうで。毎回、新体操の大会のシーンになると、先生役で出ている俺たちは、もうただ祈るしかできないんですよね。

松下 疲れてきてからそのシーンがあるから。

荒木 そう、ラストだもんね。優也はミスターパーフェクトみたいな感じで出てくる役だったんで、歌うし踊るしはしゃぐし(笑)。もうずーっと体力削るだけ削って、大会のシーンにいくんで。そこを見てたから、他の現場に行っても弱音はけなくなりましたね。優也は、ほんとに弱音はかないんですよ。

松下 弱音言うと負けに入りそうな気がしてね。みんなが自分をすごい気にかけてくれてたりするのはわかってるんだけど、それをあえて気づかないふりをしてた(笑)。

左から荒木宏文、松下優也 撮影/森田晃博

荒木 めっちゃ負けず嫌いなんだと思う(笑)。

松下 そう、負けず嫌いですね。でも『タンブリング』はほんとに大変やった。だって、打ち上げで、いい大人たちがみんな泣くんですよ。あんな舞台ない。

荒木 アハハハハ! あれはすごかった。

松下 ほんまによう頑張ってんな~っていう本物の涙しかなくて。俺も泣いたし、荒やんも泣いてたし、もう全員です。

荒木 話してると、思い出して泣けてくるんですよ(笑)。

松下 そう、泣くつもりなんてないのに泣けてきた。だって、1幕と2幕の休憩中にバク転の練習してましたからね(笑)。

荒木 やってた(笑)。

松下 マジでエグかったですよ(笑)、思い出すだけで泣けてきそう。

荒やんは、僕を受け止めてくれるすごくいい兄ちゃんって感じ

――どういう部分に惹かれて親しくなっていったと思いますか?

荒木 単純に尊敬できる人だったんですよね。で、僕が今まで共演してきた人に共通で言えるのが、ダンスやってきた人って純粋に尊敬できるというか。ダンスやってる人たちってみんな共通したストイックさを持ってて。それを優也にも感じて。

 ほんとに何でもできる人だから、歌もお芝居もダンスも、やれてることのレベルが高すぎるというか。すげぇしか出てこない。年下だけど憧れられる存在だったので、話してても何でもためになるから、だからコミュニケーションとりたいと思ったし。自分の知らないことをもっとディープに知ってる人だから、いろんなこと聞きたいっていうのがデカかったですね。

松下 今、話を聞いてて、「あ! そうやったな」と思ったのは、こういうことを素直に言ってくださるところですかね。僕は、たぶん年下に対してそんなに褒めないです(笑)。

荒木 アハハハハ!

荒木宏文(手前)、松下優也(奥) 撮影/森田晃博

松下 僕よりも年上だし先輩なんやけど、最初に寄り添ってきてくれたっていうのがデカいですかね。僕は人に対して自分からそんなに行かないんで。あとはやっぱりお互いがお互いに興味を持って、音楽の話でもファッションの話でも、もちろん仕事の現場の話もいろいろな話ができるから。

荒木 そうだね。

――出会った頃と変わったなと思うところはありますか?

松下 いや、だってその時点で荒木くんは人格として完成されてたから、別に変わらないですよ(笑)。

荒木 アハハハハ! 優也は、変わったとしたら、また新しく仕事で結果を出しているってところでは、変わってる部分はあると思いますね。でも、人柄的には会った時から、ちゃんと芯のある人だから変わってないとは思うんですけど。

――松下さんご自身としては変わった部分ってあるんですか?

松下 結構あると思いますね。その当時よりも、大人になったという意味で、落ち着いたかもしれないですね。

荒木 アハハハハ!

――前のほうがもうちょっと、とんがってました?

松下 荒やんとかの前でとんがるわけじゃないけど、なんか自分的にもうちょっとイケイケ感があったような気もするし。性格的な意味で、それが結構なくなってきたかなという気がしますね。

荒木 そうか~。

――荒木さんちょっと寂しそうなんですけど(笑)。

荒木 俺、最近X4のライブにいけてないな~と思って。見てるときにはライブの感想を送ったりしてたんですけど。

松下 メールもらいましたね。

荒木 結成した当時、メジャーデビュー前に福岡のライブにも行ったよね。

松下 そう、X4で初めてワンマンライブをやる初日に来てくれたんですよ。

荒木 たまたま福岡でリリースイベントがあって、時間が空いたんで「行っていい?」って(笑)。

松下 来てくれて、めっちゃめっちゃうれしかったですよ。初ライブだから見せるのは“う~ん”っていうのは少しあったけど(笑)。

松下優也(手前)、荒木宏文(奥) 撮影/森田晃博

――最後に、改めてお互いはどんな存在ですか?

荒木 もうずっと言ってますけど、尊敬できる人ですね。常に“ああ~、自分はもっとやらなきゃな”って思わせてくれる存在なので、単純に追いかけてる人だと思います。でも実は自分のほうが年上だったり、共演した役がその先生と生徒で始まっているからなのか、それだけすごい人を友達って呼べるのは、出会った現場が、運がよかったのかなって思いますね。

松下 人としてもお仕事に対する姿勢もすごい尊敬のできる先輩ですね。でも……先輩のように感じてない先輩みたいな(笑)、ギリ敬語、みたいな(笑)。

荒木 アハハハハ! 確かに。

松下 受け止めてくれるんですよね、荒木くんが。僕はあんまり受け止めない人なんで(笑)。だから、すごくいい兄ちゃんって感じです。

スペシャルQ&A【荒木宏文編】

――松下さんには言ってないけど、感謝していることは?

荒木 ブレずにいてくれてることっていうのは、すごく感謝できることです。人間的にブレずにいて、そのまま当たり前のようにどんなこともやってるから、すごいなって思います。それで作品を通してちゃんと結果が出ているというか。見せつけられてる感を感じるクオリティのものしか出さないでいてくれてるから、イチ客として見たときも満足できる。単純にずっと、こいつすげぇなって思える存在でいてくれてるのは、感謝すべきところだなと思いますね。

――松下さんに直してほしいところは?

荒木 直したほうがスムーズになるのかな? と思うところは、目力。知り合ったらそれが魅力に変わるから難しいんですけどね。目の圧がすごくあるから、少し柔らかくしたほうが、初めましての方は困らないんじゃないかなとは思います(笑)。ミスターパーフェクトなんで、不安要素として挙げるものがあるとしたらそこだけかなって(笑)。

――何フェチですか?

荒木 肌! 肌を一番見ますね。肌ツヤのいいきれいな肌が好きです。どちらかというと日焼けしているよりは白い肌のほうがいいのかな。肌がきれいな人はすごく衛生的というか、普段もほかのことに気配りができたり、きれいなのかなって思いますよね。

荒木宏文 撮影/森田晃博

――「大人の男」に必要なものは?

荒木 いろんな部分で余裕だと思います。生き方とかお金もそうだろうけど、なんかイライラしてるっていうよりは、周りのことも受け入れられる余裕は絶対必要だろうし。ネガティブに考えて警戒心バチバチで、石橋をたたいて歩き続けてる人よりは、「ああ~、それくらいなら大丈夫だよ」って考えられる余裕があったほう大人だなと感じるし。経験値が多ければ多いほど、その対処法ってわかると思うので、それが余裕につながっていくと思うんですよね。

 そういう意味でもいろんなことをいっぱい経験して、人に対する助言とかも「たいしたことじゃないよ」って思わせるアドバイスができる余裕の持ち方っていうのは、大人の男性にはすごく必要なんじゃないかなって思いますね。

――今、欲しいものは?

荒木 一戸建て。地元にいる両親や祖母が住みやすい家がいいと思うんで、バリアフリーであったり、掃除がしやすいとか、使い勝手がいいとか……そういう部分にはこだわりたい。母親が取りづらいところに食器棚があったりするのは嫌だなって思うので。昨年、祖父が亡くなって、祖母もいつ亡くなってもおかしくない年齢なんだなと思って。家族と会えていないことに申し訳なさを感じて。あと十何年経つと、今度は両親もそういう年齢になってくると思うと心配だし、家を建てられたら少しは役に立てるのかなと。

――生まれ変わるなら男? 女?

荒木 男性です。女性は大変そう。一番デカいのは子宮を持ってることじゃないですか。毎月、生理があって体調を崩したりもするし、結婚して産休をとる、育児休暇をとる、仕事をしながらのそういう手続きも大変だと思うし。結婚に関しても、女性のほうが大変な思いを人生の中ではするんだろうなっていうのをすごく感じますよね。それを自分ができる気がしない。女性はほんとにすごいし、かっこいいなって思います。

――絶対に譲れないことは?

荒木 人生のレール。人生のレールは自分で敷きたい。レールを準備してくださることはありがたいことなんですよ。でも、どう置くかっていうことまで決められたくないというか。「このレールがきたからここに置きます! 進んでください! よろしくお願いします!」は嫌。レールが届いたら「どういう順番で置きますか? 好きなように置いてくれて大丈夫です!」じゃないとストレス感じるなって。何のために生きてるのかがわからなくなるから。

 仕事をとってきてくださるマネジャーとかすごくありがたいし感謝もしてますけど、やるかどうかは自分で選択したい。決めることで、レールを自分でちゃんとはめたという責任が生まれるし、逃げられなくなるから。

スペシャルQ&A【松下優也編】

――荒木さんには言ってないけど、感謝していることは?

松下 仲良くしてくれてありがとうって感じですかね。僕は舞台とかで仲良くしてもらっている人ってすごく限られてて。それぞれ仕事があるからたまにしか会えないですけど、会ったときの時間だったり、その人との関係性が濃かったら、その会っていなかった時間ってあんまり関係ないじゃないですか。そういう人の中のひとりが荒やんなんですけど。年上だけど、僕とかに対しても同じような目線で話してくれるし、先輩という感じでいない人です。2作しか共演してないのかって思うほど、すごい仲良くなったひとりだなって思いますね。

――荒木さんに直してほしいところは?

松下 感情としての怒る部分をあんまり荒やんに感じなくて、ずっとニコニコしてるイメージなんですよ、僕の中では。だから、たまには毒づくところとかもちょっと見てみたいなって思いますね。すっごく穏やかなんで、ほんとに。だから、すごいモテるだろうな~って思いますね。ただ、荒やんは鈍感やから、絶対気づかんと思う(笑)。年下の女の子とかに、明らかにそれ荒やんのこと好きやんって感じで想われてたとしても、たぶん気づかなさそうな気がする(笑)。

――何フェチですか?

松下 匂いは絶対に大事です。超重要です! 匂いだけで3割増しですね(笑)。どっちかというと香水とかではなく、清潔感のある匂いが好きなので、ボディソープだったり柔軟剤だったり……。でもやっぱりシャンプーの匂いって一番いいなって思いますね。性格のフェチでいうならば、ギャップですね。例えば見た目がちょっとイケイケそうな人が意外と家庭的な普通の女の子だったりとか、そのギャップは結構好きですね。

松下優也 撮影/森田晃博

――「大人の男」に必要なものは?

松下 1つとても大切なものは、知識だと思いますね。僕は知識というのはただ単に物知りということだけではなくて、その人の気持ちがわかることも知識の1つだと思うんですよね。だから、いろいろな経験をすることによって相手の立場に立てたりとか。

 自分は今グループで音楽をやってますけど、全員後輩でいろいろ教えなきゃいけないってときに、自分が今まで仕入れた情報を教えられるし、知識があることは余裕や優しさにもつながってくるような気がします。無知は罪だと思うので。だから僕はなるべくいろんなものにアンテナを張り巡らせて、興味を持つようにしてます。わからないことがあったらすぐ調べる癖をつけてますね。

――今、欲しいものは?

松下 欲しいものは、免許と車(笑)。車にはやっぱり昔から夢がありますから。自分が好きなことやらせてもらって、お金がいただける世界にいて、車はある種の成功の証でもあるし。それがメインではないけども、僕もそうだったように、次の世代の人たちに夢を抱いてもらわないといけないと思うんですよね。その一環としても、人生の目標の1つとして車があります。軽じゃないですよ(笑)。いろんな車に乗りたいですけど、カラーリングは絶対マットブラック。漆黒のスポーツカーがいいですね(笑)。

――生まれ変わるなら男? 女?

松下 1000回生まれ変わっても男ですね。永遠に生まれ変わり続ける限り男でいたい。理由は、女の人のほうが大変やと思うからです。女性の方っていうのは、家のことも考えながら仕事もしたり家族を持ったりして両立してる人が多いわけじゃないですか、そんなのできないし、絶対子どもなんて痛くて産めないから(笑)。あと男の中の男みたいなのが僕はやっぱり好きなんで。やっぱ男は男っしょ! みたいな感じがいいので(笑)。

――絶対に譲れないことは?

松下 仕事から家に帰って寝るまでの時間は、絶対に譲れないことですね。一番フリーな時間なんで、テレビを見たり、好きな映画を見たり、音楽を聞いたり、インプットに使う。僕はインドア派だから寝るまでのその時間が、一番自分の楽しみの時間なんです。一日中仕事してても、今日帰ったらあれ見ようとか、あれしようとか、考えてたりしますね。その時間は僕にとってすごく大切な時間です。だから寝るのが遅くなっちゃうんですよ(笑)。


<プロフィール>
あらき・ひろふみ◎1983年6月14日、兵庫県生まれ。O型。にっかり青江役を好演したミュージカル『刀剣乱舞』~三百年の子守唄~のDVD&Blu-rayが7月31日リリース。6月24日(土)表参道GROUNDにて荒木宏文ソロイベント「Hand…」開催。Bayfm「DラジオBOYS SUPER」(毎週土曜23時~23時30分)出演中。2ndシングル『STELLAR』発売中。

まつした・ゆうや◎1990年5月24日、兵庫県生まれ。A型。俳優・X4メンバーとして活動。舞台『僕だってヒーローになりたかった』(7月6日~23日・俳優座劇場)出演。X4ファンミーティング-Vol.2-が8月9日~名古屋、東京、大阪、福岡にて開催。松下優也Anniversary Liveは11月25日~大阪、名古屋、福岡、東京で行われる。X4 2ndアルバム『Xross Mate』発売中。

(取材・文/井ノ口裕子 撮影/森田晃博 スタイリスト/鹿野巧真[松下] ヘアメイク/Hyo[松下]、Emiy[荒木] 衣装協力/DOMENICO+SAVIO、YORK、WRAPINKNOT)