「考えごとをしていて、ブレーキを緩めてしまいました」
6月20日、東京都調布市の甲州街道で玉突き事故が発生した。幸いにもケガ人は出なかったが、この事故を引き起こしたのは木村拓哉だった。
「現場は交通量が多く、接触事故が頻発する場所だったようです。木村さんは信号待ちをしていたバイクに追突。はずみでそのバイクが前方の車に追突するという、3台が絡む事故でした。娘さんが今年の4月から通い始めた学校への送迎の最中だったようです」(スポーツ紙記者)
木村は自ら通報して真摯に対応しているが、取り調べに対して、冒頭のように述べたという。このひと言が世間をザワつかせた。
「事故が起こった日は、稲垣吾郎さん、草なぎ剛さん、香取慎吾さんが9月8日の契約満了をもって正式に事務所を離れることと、中居正広さんが事務所に残留することが報道された直後。
木村さんの“考えごと”についての憶測が飛び交いました。“もしかして、SMAPが離ればなれになってしまうことを考えていたのではないか……”と、考えた人も、少なくなかったのでは」(芸能レポーター)
木村と同じく残留の道をたどることになった中居。彼が事務所に残ることになったのには、現在放送されている番組への“義理”があった。
「レギュラーを5本抱える中居さんだからこそ、独立したら番組が打ち切りになり、多くのスタッフが路頭に迷ってしまう。だから、独立を踏みとどまったという話もありました」(番組制作スタッフ)
“裏切り者”の烙印を押された木村拓哉
中居の残留に気もそぞろなのが、'16年8月にすでに残留の意思表示をしていた木村だ。解散が、騒動から現実になってしまったこの1年半の間に、SMAPの中でも圧倒的な“カリスマ”だったキムタクは、“裏切り者”という烙印を押されてしまった。こういった世間の声は、ダイレクトに人気に反映されている。
「今年1月から3月までの主演ドラマ『A LIFE~愛しき人~』(TBS系)の最終回は、同期最高平均視聴率16・0%を記録したものの、第4話では主演連ドラ自己ワーストの12・3%。また、4月29日から公開された主演映画『無限の住人』はカンヌ国際映画祭の特別招待作品に選ばれましたが、公開初週はランキング6位と出遅れました」(前出・スポーツ紙記者)
同映画のプロモーションでは、さまざまな雑誌の表紙に登場した木村。世間のネガティブなイメージを払拭するために、珍しく個別インタビューも幅広い媒体を受け付けたが、とある映画雑誌の編集者は語る。
「最初に事務所を通じて取材の連絡をとったら“表紙込みなら考える”と言われたんです。ただ、そのときにはすでに表紙はほかの人が決まってしまっていたため、申し訳ないのですがお断りしました」
しかし後日、状況が変わる。
「配給会社から“どんな形でもいいからページを作ってほしい。インタビューの時間を取る”という連絡が来ました。個別取材の時間がもらえるなら、ということで取材をすることにしたのですが……」(前出・映画雑誌編集者)
口を濁すのも無理はない。結局、表紙もキムタクに変わるからだ。
「“取材するなら、表紙もやるでしょ?”と、事務所の広報から連絡が来た媒体がいくつかあるそう。というのも映画雑誌やエンタメ誌では、嵐のほか事務所の後輩たちが連載や、表紙を飾っていることが多い。編集部と事務所も持ちつ持たれつの関係なので、そういう雑誌で表紙を飾ったものもあるそうですよ」(前出・芸能レポーター)
そんな必死の売り込みもあり、4月末からGWにかけて多くの雑誌の表紙を木村は飾った。しかし、それだけ表紙をキムタク一色にしても、世間の反応はシビアだ。
「実は、今年に入っていちばん売り上げが悪かったのが木村さんの号。ふだんの目標値が1万冊だとすると、軒並みその近くまで売れるのですが、木村さんを表紙に起用した号は、売り上げ達成目標の6割程度で着地したんです」(前出・映画雑誌編集者)
このなりふりかまわない露出戦略には、事務所内でも異論の声があがっているという。
「雑誌だけでなく、普段だったら絶対に出演しないようなバラエティー番組にも出ましたからね。あまりに多くの媒体に出演しすぎて、ミステリアスだった彼の価値を逆に下げてしまったように思います。
Iマネージャーなら、こんなプロモーション方法は絶対に取らなかったんじゃないでしょうか」(ジャニーズ事務所関係者)
4月にはトヨタ自動車とのCM契約も終了した木村。現在は2社とCM契約中だが、うち1社は海外のみの契約だ。
「かつては出演ドラマをすべて25%以上の視聴率に導き、好感度ランキングでも上位常連だった木村さんですが、それはSMAPというアイドルグループの中にいた時代だけ。決して役者としての評価は低くありませんが、この先、役者1本で戦うのは厳しいでしょう」(芸能プロ関係者)
木村とは対照的に、バラエティー番組のレギュラー司会者としてだけではなく、五輪キャスターや野球のサポーター、役者としても映画で主演を張ることができるのが中居。事務所にとって、マルチに活躍する中居こそが“ドル箱”。
「事務所としても彼に残ってほしい気持ちは大きかったようで、中居さんだけはほかの3人と異なり、契約更新の有無を伝える期限を延ばしてもらっていたようです」(前出・芸能レポーター)
この差はどこで生じたのか。それは同じ冠・『SMAP』をかぶっていた時代からのキャラクター設定にあった。
「中居さんはアイドル時代からバラエティー番組で培った引き出しがあります。しかし、木村さんは当時からバラエティーに出ることは少なかった。解散後にドラマの番宣で出演していた際も“俺様”キャラが抜けきれず反感を買うこともあったようです」(前出・番組制作スタッフ)
かつてSMAPの“ツートップ”と呼ばれた木村と中居だが当時の経験の差がここへ来て明確に出てきてしまった。
「安定を望んでまっさきに残留を唱えた木村さんでしたが、中居さんの影に、世間だけでなく事務所でも肩身が狭くなりつつあります。この先の路線にも悩んでいると思いますが、役者以外できない木村さんは結果を出すしかないと焦っていると思いますよ」(前出・芸能レポーター)
キムタクの苦悩は、いつか晴れるのか─。