更年期障害などの女性の病には
「僕はよく共同浴場に入ります。利用してきた客がこの温泉を愛し、大事に使ってきたことがよくわかるんです。共同浴場がある温泉はいい温泉が多い」
兵庫県・城崎温泉には7つの共同浴場があり、すべて無料で入れる。その泉質はナトリウム・カルシウム塩化物高温泉で、慢性の婦人病にいいといわれる。飲泉もできて、慢性の便秘に効果があるという。
同県の有馬温泉は、「ぬくもりの湯」「子宝の湯」として昔から知られている。有馬温泉の守護神である湯島神社は、子宝の神社として親しまれていて、子どもを授かりたい人は有馬温泉に浸ってみては。
宮城県・東鳴子温泉は油分を含んだ重曹系の黒湯が特徴で、温泉マニア絶賛の名湯。
山梨県・韮崎旭温泉は、ぬるめの炭酸泉で、あわあわと気泡が身体を覆い、これが気持ちがいい。じっくり温まることで、慢性の婦人病に効くとのこと。
つらい五十肩や関節の痛みを改善
1日に29か所の温泉に浸かったことがあるという郡司さん。「でも、温泉は湯治が基本。自炊しながらゆっくりと温泉療養をしたいもの」と、しみじみ。でも、忙しい現代人は、何日も温泉に浸かってはいられない。
「それなら、湯治場の雰囲気のある温泉があります」
山形県・舟唄温泉の日帰り温泉の柏陵荘は、いま流行の豪華なスパではなく、簡素で落ち着く木造の浴室で、でも、それが湯治場の雰囲気が残っていると常連客に人気。糖尿病、婦人病に効くという。
湯治場といえば、山形県・肘折温泉もどこか懐かしい温泉で、心も癒されると評判。かつては湯治場であったことから、旅館でありながも自炊部のあるところが多い。温泉客に人気の朝市はなんと朝の5時から開かれている。「肘折」の名が示すように、泉質はナトリウム塩化物泉・炭酸水素塩泉で、リウマチ、神経痛、そして骨折などの後療法によい温泉。
関東の温泉では、静岡県・下賀茂温泉も腰痛や肩こり、神経痛、腰痛、五十肩に有効。最近急増中のスマホ首にも効くとか。
そして、千葉県・御宿温泉。海水浴場で知られる御宿だが、地下800メートルから涌き出すのは、お肌スベスベのとろみの温泉。神経痛、筋肉通に有効であるだけでなく、「御宿のお湯は肌がにゅるにゅるして、美人の湯とも言われます」
鳥取県・三朝温泉の大橋は三朝を訪れるたびに郡司さんが泊まる旅館。「建築のほとんどが国の指定有形文化財です」
愛媛県・道後温泉の本館は夏目漱石が『坊っちゃん』を執筆した部屋も見学可能。
神経痛や腰痛を治しながら、建物探訪も楽しもう。