日本のミュージカル界を代表する名優、鹿賀丈史さんと市村正親さんが最強のゲイカップルを演じる名作ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール』。来年3月にコンビ誕生10周年の公演が決定。2.5次元作品で大活躍の木村達成さんが、2人のひとり息子役で、念願のグランドミュージカルデビューを果たします。出演が決まったときの心境を聞くと……。
「正直なところ僕でいいのかなっていうのをまず思いました。それから、選んでくれたっていうことはちゃんと結果を残さないといけないとか、大御所の方々にどう接したらいいのかとか、いろいろ不安な気持ちも湧いてきたんですけど、やっぱり自分が歌って踊って舞台上に立っている姿を想像すると、すごくうれしい気持ちになりましたね。ミュージカルはこの世界に入る前から好きでした。俳優デビューしてからも興味はあったのですが、こんなに早く実現するとは思っていませんでした」
歌もダンスも芝居も足りないと思う。とにかくすべて頑張るだけです!
今年の春からボイストレーニングを始めて、少しずつ手ごたえを感じてきている?
「感情表現を乗せないといけないミュージカルの歌い方は難しいです。でも、レッスンのときに『ラ・カージュ』の歌を練習して録音するんですけど、いちばん最初と最近の歌声を比べると全然違っていて。基礎から教えていただいて、だんだん自分でも聴けるような歌になってきたかなと(笑)。
1回1回のレッスンを無駄にしたくないから、先生から言われたことを譜面にメモして“次は絶対に注意されないようにしよう!”って思うんですけど、『ラ・カージュ』の歌は僕にとっては難しい壁で、いま奮闘中です。もちろん歌だけじゃなく、ダンスも芝居もすべて足りないと思うので、とにかくすべて頑張る! それだけなんです」
大先輩の鹿賀さんと市村さんとの共演で学びたいことや楽しみなことは?
「まだお会いしていないのであまり実感が湧かないんですけど。でも、あまり先入観を持たないで、おふたりの胸をお借りして思いきりやりたいと思います。いろいろお話もしてみたいですね。すべての作品に使えるような極意を教えていただきたいです」
ゲイ夫婦に育てられた青年、ジャン・ミッシェルを演じるにあたり大切にしたいと思っていることは?
「ジャンと僕は同い年なので親近感が湧くというか、母親のザザに対して反抗してしまうところも共感できますね。彼の繊細さとかちょっとワガママなところをチャーミングに出せたらなと思ってます。また、誰かを愛して結婚したいんだっていう、今まで演じたことがないキャラクターなので、そういう面でも楽しみな作品ですね。自分じゃない誰かの人生を擬似体験できる役者という仕事は、本当に楽しいです」