AI(人工知能)家電については、「呼びかけると検索したり、家電を操作するAIスピーカーは好評。寝る前に“おやすみ”と言うだけで、タイマーをセットしたり空調の温度調節をするなど、実際の利用スタイルを見ると“へぇ~”と思います。今年はよりAIが浸透する」(三上氏)
IT家電以外にも“ヒット候補生”は多い。商品ジャーナリストの北村森氏が注目するのは、昨年11月にパナソニックが発売した『ロティサリーグリル&スモーク』(税抜き5万5000円前後)だ。
「肉の塊を回転しながら焼いてくれるもので、燻製も作れて料理心をくすぐります。ホームパーティーでこれがあったら鼻高々ですよ」(北村氏)
つらい花粉の季節に向けた商材も話題を集めている。DR・C医薬が開発した『ハイドロ銀チタン』という素材だ。
ヒットのにおいがプンプン
「花粉やハウスダスト、悪臭の原因になる汗やカビに含まれるタンパク質を分解し、水の分子に変えて無害化します」(同社広報)
1月中には同素材を使用した『花粉を水に変えるマスク』が店頭に並び、2月には下着などの衣類も発売予定だ。
「においへの意識が男女ともに高まっているほか、花粉に苦しむ人の救いとしてヒットする可能性はある」(北村氏)
三井化学が今春の発売を予定している遠近両用メガネ『TouchFocus』(価格未定)はフレームに電子回路を組み込み、フレームのタッチセンサーに触れると屈折率が変化する。瞬時に遠近の切り替えができるのが新しい。
「従来の遠近両用メガネで階段を上るときに足元を見るとボヤけて見えるから危ないが、同商品ならぼやけないし安全なのです」(北村氏)
バンダイは新時代の子ども用運動靴『UNLIMITIV』(税抜き3900円予定)を今春発売する。「子どもの足を速くするには何が必要か。それはトレーニングであるとの結論に至りました」(同社開発担当)。バンダイがただの靴は作らない。
「靴にはセンサーが内蔵されており、歩く、走る、ダッシュという3段階で歩数を記録します。親のスマホにデータが送信されて運動量がわかるほか、走ることでポイントが貯まってスマホ上のゲームを有利に進めることができます」(同)というから知らないうちに足腰が鍛えられそう。
最後に食品分野から。前出の北村氏が注目するのは、秋田県の名産品を使った『いぶりがっキー』(伊藤漬物本舗、税抜き450円)だ。
「大きくて重く切るのも大変な『いぶりがっこ』を5ミリ×15センチに切り、乾燥機にかけドライスティックにしたものです。ポリッポリで美味しく、それが徐々に口の中で本来のいぶりがっこに戻っていくんです」(北村氏)
伊藤漬物本舗は「ほかに1月からいぶりがっこの皮を乾燥させた新商品『カリッキー』を発売予定です」と話す。ヒット商品はいくつ出るか。