“海外出稼ぎ女子”――アメリカやアジア、オーストラリアなどに短期間滞在し、中国人富裕層などを対象に性風俗の仕事をする日本人女性のことだ。コロナ禍の収束に伴い急増している“海外売春”。その実態について、今年に入ってから海外へ渡航するようになったというA子さんに話を聞いた。
日本の風俗店と金額は変わらない
「私は、アメリカのロサンゼルスと台湾の台北に行ったことがあります。最近多いのは、台湾、タイ、マカオ、オーストラリア。期間は人によりますが、稼ぎたい子だと1か月は滞在すると思います。私の場合は、ロスに9日間滞在して300万円の報酬でした」(A子さん、以下同)
9日間で300万円とは高額に思えるが、A子さんによれば「金額的には日本の風俗と大きくは変わらない」という。
「チップ文化がある国だと、その分プラスになります。ただ、海外に魅力を感じるのは、精神的に楽だから。例えば、日本に外国の方が来て、一生懸命日本語を話そうとしていたら、それだけで可愛らしいじゃないですか。
それと同じで、言語が通じないからこそ可愛いと思ってもらえる。それに日本と違って、プライベートのことを詮索されたり、行為中に余計な要求をされたりすることもありません」
友人の紹介で、エージェントを介して“海外出稼ぎ”を始めるようになったA子さん。基本的にはグループLINEで“案件”の募集があり、納得のいく条件があれば渡航する流れだ。
ただ、近年は売春の取り締まりが強化されており、特にアメリカでは年々入国審査が厳しくなっている。
「入国時、若い女性に対しては基本的に“1人で何しに来たの?”というスタンスです。ブランド品を持っていると、売春目的だと怪しまれやすいと聞いたので、すっぴんにヨレヨレの服装で“ロスに住んでいる友人の家に泊まる”とアピールしました。
入国後は現地スタッフと合流し、車で“お店”へ。着いた先はボロボロの一戸建てで、“ママ”は中国人でした」
現地での活動は、インコール(客を自分の部屋に招く店舗型)とアウトコール(客先に出向く出張型)に区分される。
「私はインコールで、滞在していた部屋が“宿泊先兼仕事場”となりました。お客さんが、各部屋にいる女の子を見定め、選ばれたらそのままお部屋へ。お客さんのほとんどは中国人富裕層、出稼ぎに来ている女の子たちは、中国、韓国、日本の子がメインです」
その“部屋”が、想像以上に劣悪な環境だった。
「空調が一括管理なので、私の部屋はかなり暑かったです。衛生環境も整っておらず、自室の風呂にアリが大量発生して、お客さんに退治してもらったことも。
掃除は行き届いていないし、シーツも変えてもらえない。せめてもの衛生管理で、お客さんごとにバスタオルを変えていましたが、清掃スタッフからは“バスタオルを使いすぎ”と目をつけられて……。結局、自室でタオルを干して、ローテーションして使っていました」