何と、ちょうど5勝5敗の五分五分だった。

 ただし、この調査から「餃子日本一の街」を決めるにはいくつか課題が残る。まず、調査対象が2人以上の世帯であるために、単身の記録が反映されていない。そして、調査対象となる「ぎょうざ」は、スーパーなどで購入した餃子(生、調理済み)もしくはテイクアウトのみの餃子専門店で購入された餃子だけなのだ(この点、浜松はテイクアウト店も多いため、有利だと思われる)。

 冷凍品の餃子は、「冷凍調理品」という他の項目に入るほか、餃子の皮を購入し家で作った場合も除外され、何より外で餃子をべた分も含まれないのだ。というのも、餃子の外は、「中華」にカウントされるからだ。よって、中華料理屋や餃子専門店での店内で消費された餃子は統計に含まれない。

 さらには、無作為抽出した世帯に、毎月の購入額を尋ねる方式のため、市外からの来訪者、観光客の消費金額はまったく入らない。つまり、地元の方が餃子を購入して、家でべた量だけの統計なのだ。

真の「餃子日本一の街」は?

 そこで今回、浜松と宇都宮の両都市の餃子店を、べログ点数で分析することによって、どちらが真の「餃子日本一の街」なのかはっきりさせようと思う。

 べログ点数での比較結果は、浜松市にある餃子店の平均が3.16点、宇都宮市が同3.19点だった。0.03点差で、宇都宮市が上位となった。その点差は僅差であり、明確に甲乙つけがたい。

 今後とも、いわゆる餃子戦争は続くことと思われるが、今回の調査では浜松と宇都宮、どちらの街でもその地に根付く美味しい餃子には、あまり差がなく楽しめることを裏付けた形になった。


新山 勝利(にいやま しょうり)◎研修講師、マーケティングコンサルタント 専門領域は店頭マーケティング、購買心理プロセス、顧客満足度。飲店のコンサルティングでは、点数を分析したデータ主義で売上向上を図り「べログ」の評価3.50点達成を推進する。顧客満足を高める販売促進、店舗の活性化や売場づくりのためのノウハウを提供。メーカーや全国の商工会議所などの団体、広告代理店、卸売、量販、チェーン店などが主要顧客。他業界の成功事例を用いて、写真や図表を活用した説明を行う。世界30カ国、150都市を歴訪。中でもフランス・パリには30回訪問。諸外国の先進的な産業事例にも造詣が深い。多数の専門誌に執筆するほか、各種マーケティング学会で論文発表。著書に『売れる商品陳列マニュアル』(日本能率協会マネジメントセンター)など。公式サイトはこちら