“仮面ライダー俳優”の松尾敏伸が、覚せい剤取締法違反容疑で逮捕されていたという。
先月には同じく『仮面ライダー』に出演していた青木玄徳が強制わいせつ致傷などの疑いで逮捕されていた(その後、不起訴処分)。
“正義の味方”のはずが、まさに“仮面”をかぶっていたのか。
だが、これらの報道に、ファンからは不満の声があがった。
『仮面ライダー』といえばこの人と言われるほど、第1号の藤岡弘、を始め、ライダー出身の俳優は数多い。
「特に'00年以降は、オダギリジョー、細川茂樹、水嶋ヒロ、佐藤健と続き、その後も瀬戸康史、菅田将輝、福士蒼太、竹内涼真という若手俳優の活躍が目覚ましく、『戦隊モノ』と並び若手俳優の登竜門といわれています」(テレビ誌ライター)
前述のふたりも、“仮面ライダー俳優”には違いないのだが……。
「『仮面ライダー』は当初、“仮面ライダー〇号”とか“〇人目のライダー”という呼ばれ方をしています。10号まではそれでよかったのですが、次作の『BLACK』と『BLACK RX』あたりから複雑になってきているんです。両作品は主人公は同じですが、能力アップしたという設定で、仮面ライダーがモデルチェンジしているんです」(前出・テレビ誌ライター)
平成版の仮面ライダーシリーズになると、さらに複雑化。
「同一のキャラクター(仮面ライダー)が複数の姿に変身したり、1作品中に複数の仮面ライダーが登場するようになって、いったい何人いるのか数えられなくなってしまいました」(前出・テレビ誌ライター)
テレビドラマは現在放送中のものが29作目だが、'02年に公開された映画『劇場版 仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL』には初めて女性仮面ライダーも登場し、サブライダーや敵ライダーを含めると、『仮面ライダー』は200人を超えているという。
松尾は'05年に公開された『劇場版 仮面ライダー響鬼と7人の戦鬼』で『仮面ライダー歌舞鬼』を演じていた。青木は'13〜'14年放送の『仮面ライダー鎧武/ガイム』で『仮面ライダーデューク』を演じていたが、どちらも主役ではなくサブライダー。
松尾はドラマや映画、舞台出演も多く、NHKの朝ドラや大河にも出演している。青木も舞台や映画出演が多い。だから、ファンは、
「それで、仮面ライダー俳優と呼ぶの?」
「普通に“俳優”でいいんじゃないの」
と、納得がいかず、二人が“正義の味方”『仮面ライダー』の顔に泥を塗ったことに、許せない気持ちでいっぱいなのだろう。
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。