そんな朱美容疑者の焦りが垣間見える出来事があった。
「2回ほど僕のところに来て“いま私、飲み屋やってんねん。来てー”って営業をかけられた。軽いとは言わんけど、危険な香りはしていましたね。アフター誘って間違いが起こったら家に乗り込んできそうな……」(同前)
元同僚のところにまで営業をかける必要があるほど、経営状態は逼迫していたのか。
父親から受け継いだ建設会社『大一水道』を経営する傍ら、昨年5月ごろ、同府高石市内で学習塾を開いた。子どもを通わせていた保護者は、
「朱美さんは体調を崩して入院をしたりしていたから、主に長男が教えていてね。昨年末には看板を下ろしました。結局、人が集まらんかったんやと思うよ。“息子を自立させるために”って任せとったみたいやけど、まだ長男も若いから難しかったんやろうな」
昨年9月には、堺市内でバー『One Love』をオープンさせたが、最寄り駅から車で約10分という不便な立地。住宅地というほど家が密集しておらず、近隣には畑があり、緑豊かな一帯だ。
店に行ったことがあるという60代の男性は、
「普通のショットバーや。バーテンは30~40代の気さくな兄ちゃんだったけどな。朱美容疑者のとこの従業員だったと思うで。全然客もおらんかったんちゃうか。定休日じゃなくても、やってない日が多いし、なによりこんな場所で流行るわけないやろ」
といまさらながらあきれる。
容疑者の次男に聞く
本業と副業だけでなく、
「自分のところでフレンチブルドッグを6匹も飼っていたが、さらに保護犬を預かって面倒を見ていた。お金がなかったらそんなことせんやろ。ただ偽善者やって言われたと落ち込んでいた」(別の知人)
何をやってもうまくいかない朱美容疑者だが、今回の犯行も“バレバレ”な手口だ。
今年1月には、朱美容疑者が作った甘酒を飲んだ父親が意識不明になり救急搬送された。そのまま意識は戻らず、6月28日に息を引き取った。大阪府警は司法解剖し、朱美容疑者との関連を調べる。
母親も朱美容疑者が作った抹茶オーレを飲んだ直後に意識を失ったと話している。飲み物に何かを混ぜるなど“魔女”のようだが、あまりに杜撰な手口は“バレバレ魔女”とでも形容するべきだろうか。
帰宅した朱美容疑者の次男は、「母はやっていません」と語る。本人も殺人容疑を否認し続けている。