周辺住民によると、男性は1週間に1度のペースでエサをあげるため“一時帰宅”していた。男性の車が近づくと、それとわかるのか犬が一斉に激しく吠えるという。部屋をきれいに掃除して毎日エサをあげていれば、そこまで吠えることなどなかっただろう。
内山真理子裁判官は、「動機は不合理で身勝手。不衛生な家屋で飼育し、1か月以上もエサも水も与えず、動物虐待の態様は悪質。もう2度と、かわいそうな動物をつくることがないよう、気をつけてください」と諭した。
男性はギャンブル依存症、女性に興味ナシ
古参の近隣住民らによると、現場は男性の実家だった。両親と2男2女の6人家族で、男性は末っ子。「おとなしくて可愛い子だった」(一家をよく知る近所の男性)という。
小・中学校の同級生は、
「小学生時代から足は恐ろしく速かった。中学生になると体格ががっしりしてきて誰も仕掛けてこないほどケンカが強くなった。学業成績は中くらい。近所の1、2歳上の先輩とつるんで遊んでいたけど決して不良ではなかった」
と証言する。
動物にやさしい一面も持ち合わせていたという。
「野良の子猫が雨に濡れていたら、タオルでふいてあげていたぐらいだから」(同)
高校を卒業後、実家を出て大阪で電気技師の資格を取得し、Uターンして地元の紡績会社で働いた。
「実家には戻らず、夜勤シフトの寮生活だった。20代から競輪に夢中になってね。あれはギャンブル依存症だよ。大垣競輪だけでなく、岐阜、一ノ宮まで行く。“昼間は競輪で忙しいから夜勤をやっているんだ”って言うのよ。
メシと寝床は確保しているから給料なんて5日でなくなっちゃう。パチンコはやらない。勝っても桁がちがうでね」(同)
酒も強かったが「水と一緒だから」と飲まなかった。酒に金を使うのはもったいない感じという。女性にも興味を示す素振りはなく、独身を貫いている。