――どういうことが思い出されますか?

川原 今もお互い、たぶんもがいてる部分って、すごくあると思うんですけど。役者としても、人としても。『ふんどし部』は得るものが多かった良い作品でもあり、僕らにとってすごく苦しい作品でもあって、それを経験したからこそ逆に今、けっこうポジティブに役者ってことに対していろいろ思える。冷静に観ることもできるし、本当に糧になってるなって感じはしますね。

木戸 役者としても人としても成長できた部分があったと思います。

木戸邑弥、川原一馬 撮影/廣瀬靖士
木戸邑弥、川原一馬 撮影/廣瀬靖士
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川原 ちょうど大人になる年齢で、現実をすごく突きつけられたんですよね、役者として生きる上で。それがすごく大きかったですね。作品を作る裏側から、自分たちが背負わなきゃいけないところから、全部を冷静に見ることができたので、そのショックも大きかったし、ただ夢を追ってた頃の自分たちから、役者として生きるってことの覚悟が決まった瞬間というか。……木戸も早くしゃべってよ(笑)。

木戸 今、一馬の話を聞いてるんだよ。大変なことがめちゃくちゃあったけど、あれは10代だったのがやっぱりデカかったんじゃないかな。20代だったら、そこまで自分の中で大切な作品になっていなかったかもしれない。

川原 うん。そうだね。

木戸 10代って無敵モード期間じゃないですか。高校生くらいの“何でも来い、怖いものないぜ”みたいな無敵期間の時に、お芝居ってことに対して、すごい壁を突きつけられたというか。役者として生きていくってことは、こういうことだぞっていうのを。教えられたというか、身を持って感じられたから。それを10代の時に経験してよかったのかなって。

――それを二人で一緒に経験したってことは、絆もすごく深くなった?

木戸 そうですね!

川原 改めてこういう話をするのもけっこう恥ずかしいけどね(笑)。

木戸 アハハハハハ!