「駆け出しのころは、人に頭を下げられない男、といわれたタッキーですが、ここ数年はまるで見違えるように成長しました。そんな姿をジャニー喜多川社長も知っているので、後継に指名したのではないでしょうか」

 テレビ番組プロデューサーがそう伝える、滝沢秀明の成長ぶり。タッキー&翼の解散、そして滝沢の芸能界引退発表で、注目される滝沢の今後の動向。

 ある舞台関係者は、

「彼の献身ぶりはすごい。自分の生活を犠牲にしているんじゃないかというくらい。わざわざ時間を捻出して、ジャニーズJr.の相談に乗ったり、ご飯を一緒に食べたりしていましたね。

 自分の舞台にも後輩をブッキングするし、舞台でも映画でもテレビ番組でも、キャスティングに関わる人には、後輩を売り込むために頭を下げていました」

 滝沢の献身を別角度から見ると、ジャニーズ事務所が抱えるダークサイドが垣間見えてくる。

滝沢秀明の革命

 情報番組のデスクが以前、こんなことを明かしていた。

「“ジャニーズJr.あまり”現象が起こっているのです。やたら人数が多い。昔だったら、ある程度になれば独立する人もいましたが、最近はそういうタレントも減っている。

 その結果、テレビ、映画、舞台、どれをとってもジャニーズの飽和状態ができてしまったのです。言ってみれば、もうこれ以上、露出の場がないんです。

 今年の春、YouTubeに『ジャニーズJr.チャンネル』を開設しましたが、あれも露出の場がないための、ネット嫌いの事務所が打ち出した苦肉の策。

 本来であれば、有料のファンクラブサイトでやればいいんでしょうけど、それではメディア関係者や一般の方々への広がりがない。YouTubeに頼ったのも、露出の場を作るためだったのです

 このような飽和状態、閉塞感を最も気にし、憂慮していたのが滝沢だったという。

「Jr.といっても、30歳近い人がぞろぞろいる。このままでは、アイドルとしてスポットライトを浴びずに、永遠にジャニーズ事務所の二軍として終わるタレントが出てくる。

 それを見て見ぬ振りができなかったのがタッキーですから、後輩たちは、タッキー体制を大歓迎するでしょうね」(アイドル系ライター)

 タッキーが自身の進退をかけ、つまり引退を自らちらつかせてジャニーズ体制に揺さぶりをかけた、という見方もある今回。いわば革命だ。

 新体制は来年1月から。新たな『新春 滝沢革命』が始まる。革命の風が、ジャニーズ事務所に追い風になるのか、逆風になるのか。その行方を芸能界が固唾を飲んで見守る。

<取材・文/薮入うらら>