たくさんの人から好かれることは幸福への近道?
工藤サンといえば、独身時代に二世帯住宅を建て、親御さんの闘病をきっかけに同居を始めたそうです。親を含めて恩がある人、好きな人、自分に良くしてくれる人には、全力で恩を返すという方針なのではないでしょうか。
大事にしてくれる人を大事にするということは、利回りのいい人間関係を築くコツとも言えます。
SNSが浸透し、私たちは自宅にいて気軽に自分の意見を言えるようになりました。“好き”と“嫌い”が可視化される社会になっているとも言えるでしょう。
けれど、“好き”とは何か、はっきり定義できる人は少ないのではないでしょうか。SNSや人気投票における“好き”とは、単なる反射程度のもので、あまり深い意味はないように思うのです。
よく知らない人と自分が大切に思っている人、どちらに親切にされたほうが喜びを感じますか? 知らない人でもうれしいでしょうが、より強い幸福感を得られるのは後者でしょう。
私たちは「たくさんの人から好かれる」ことが幸福への近道と信じ込んでいますが、実際は自分が好きな対象を持つことが、幸福への近道なのです。ファンと家族という自分が大切にすべきものがはっきりしている工藤サンは、常に相思相愛、完全な幸福の中にいるのではないでしょうか。
あなたの大事な人は誰ですか?
その人に何をしてあげたいか、即答できますか?
工藤サンなら、「あのねぇ~」と例の口調ですぐに答えてくれる気がします。
<プロフィール>
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に答えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。他に、男性向け恋愛本『確実にモテる世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」。