グッと昭和が近づく、懐かしさを感じる展示も発見。赤ちゃんをあやすメリーゴーラウンドと、ちょっと顔がコワい起き上がり人形だ。ほかにも並ぶのは湯桶や筆箱など、かつて日用品から玩具まで約2万5000種の製品に用いられたセルロイド。現在はメガネやゴルフクラブの一部分など、限られた分野で使用されるのみなんだとか。

今では一部分の製品にのみ使用されるセルロイド。懐かしい品ばかり
今では一部分の製品にのみ使用されるセルロイド。懐かしい品ばかり
【写真】懐かしの『ショルダーホン』や大阪万博で登場した『ワイヤレステレホン』など

公衆電話に行列ができたポケベルが紡ぐメッセージ

 ついにというか、コレを見に来たといっても過言ではない! 青春のコミュニケーションツールコーナーだ!

「0840」「14106」「0906」10代、20代には、意味不明な数字の羅列だろうな~。昭和43年のサービス開始時は呼び出し音が鳴るだけの装置だった『ポケットベル』は、やがて10文字程度の数字を送れるように。ポケベルが鳴らなくて~♪ と、ヤングはこぞって仕事に恋に、思い思いの暗号メッセージを数字に込めたのだった。

 そんなポケベルにかわったのが、生活の、いや、もはや身体の一部になった携帯電話。その“ご先祖様”というべき、近年はバブル芸人・平野ノラの「しもしも~」で再ブレイクした(!?)、昭和63年登場の『ショルダーホン』だ! 重さ約3キロと携帯には不向きな電話は、それでもビジネスマンらに重宝された。

もとは自動車電話から発展した『ショルダーホン』。バブル芸人・平野ノラの「しもしも~」で再注目!
もとは自動車電話から発展した『ショルダーホン』。バブル芸人・平野ノラの「しもしも~」で再注目!

「もとは昭和45年の大阪万博で“未来の電話”として展示された『ワイヤレステレホン』ですが、結局、ショルダーホンとして実用化するまで15年かかりました。何千何百と飛び交う電波の中から、特定の電波を識別して送受信する技術の確立が大変だった」

大阪万博で『ワイヤレステレホン』は“未来の電話”として登場
大阪万博で『ワイヤレステレホン』は“未来の電話”として登場

 昨年で30周年を迎えた携帯電話。現在はスマートフォンとして「4G(第4世代)」規格に進化し、すでに次世代「5G」の実用化も'20年のサービス開始に向けて準備されている。今度はどんな進化を遂げるのだろうか。

スマートフォンの登場で、携帯は通信機能以外にいろいろなことができるようになりました。でも、使うのに勉強とストレスがかかります。まず、これがもっと簡単になるでしょう。そのためには、多様なセンサー、データを判断、加工するAI技術、情報を提供するARやVAの技術の進化が必要です。5Gはそのための必要条件だと思います。

 究極のコミュニケーションは、何も使わず、思った相手と思ったようにコミュニケーションをとることであるので、その方向に進んでいくのではないでしょうか。早く、“箱”に向かってしゃべらなくてはならない不都合をなくしてほしいものです

 いつの時代も“未来”はワクワクする。どんな新しい科学・技術が私たちの身近になるのか楽しみだ。でも、まずは今1度、過去にタイムトリップしてみてはいかが?

■特別展 『明治150年記念 日本を変えた千の技術博』
3月3日(日曜日)まで国立科学博物館にて開催
東京都台東区上野公園7-20
開館時間:午前9時~午後5時まで
休館日:毎週月曜日、1月15日、2月12日
入場料:1600円 小中高生600円
詳細はhttp://meiji150.exhn.jp/