関西弁の歌詞の理由

「レゲエやヒップホップの7インチ、12インチレコードは歌詞カードがついていないけど、クラブで曲に合わせて歌ったり、ライブで初めて聴く歌でウケたりするんです。ってことは聞き取れる歌詞を歌うのがこのジャンルのスタイルなんだな、と思って一発で何を歌ってるか聴き取れる歌詞を書くようにしました。

 あと、ジャマイカ人のなまった英語ってアメリカ人でもあんまり聴き取れないんですが、気取った、ちゃんとした英語じゃなく彼らが普段使ってる言葉で日常を語るのも好きで、僕の場合はそれが関西弁でした」

「東京に出てメジャーと契約する」というのが「レゲエでは一般的ではない」というDOZAN11。 関西には関西の、東海には東海のレゲエシーンがあり、その街とシーンを盛り上げるというのが多い。

「レゲエは関西弁が合うね、と言ってくれる人がいますけど、僕らがうまいことレゲエを関西弁で表現できただけで、流行った場所によってその方言がスタンダードになっていたでしょうね。

 ただ、今、東京でヒップホップが流行ってて、一方レゲエは関西が一番層が暑くて盛り上がってるのは、“ニューヨークのHIPHOPとジャマイカのレゲエ”“東京のHIPHOPと関西のレゲエ”っていうのは似た関係なのかなとは思います。

『Lifetime Respect』の大ヒットへの盛り上がりを肌で感じて「(ヒットの予感は)ありました。だからすごいびっくりはしなかった」。プライベートがなくなる、休みがなくなる、次のヒットへと追い立てられる……ヒットの後はそうした負の面を想像してしまいがちだが、当時の彼を待っていたのは、そんなものとは全くスケールの異なる“過酷な運命”だった。

「『Lifetime Respect』の後、全国ツアーやってすぐに引退したんですよ

 心境の変化もありましたが、ツアーしてても交通事故の後遺症とかでドンドン身体がよくなくなっていったから、一度時間をかけて体調を整えたいな、と。手術をやり直したり。しかし、その後も復帰しようというタイミングとかで逆流性食道炎、帯状疱疹、自律神経の不調とかいろいろありました。

 あまりにもそういうことが続くから占ってもらったら“生き霊ついてる”って(笑)。お祓(はら)いもしたな」