「50歳になってもキラキラした衣装でがんばります」
1月26日、約21年ぶりに全国ツアーをスタートさせた歌手の森高千里(49)が“中年アイドル”の続行に意欲を見せたその翌日、5人組アイドルは“中年アイドル”として自分らをさらし続けることを拒絶宣言した。
そう受け止めたくなる、嵐の活動休止の記者会見だった。
嵐で多くの人がご飯を食べている
それぞれのメンバーがそれぞれのフィールドで輝く、当代無比のアイドルグループ。グループとしてのレギュラーテレビ番組も週に2本あり、誰か一人だけが結婚を許されるようなことで生じるいがみ合う雰囲気も、彼らには無縁だった。
SMAPの解散騒動のときと違い、所属事務所の情報管理も徹底していた。メンバーが所属事務所に自分たちの意向を伝えたのが約1年前の2018年2月。メンバーと所属事務所が活動休止の結論に至ったのは同年6月。それから半年の間、情報は保秘された。
スポーツ紙の記者の中には「今月中旬には情報をつかんでいた」と、事実がオープンになった後に吹聴している連中がいるが、「すごいね」「スクープできずに残念だったね」と、ただ笑ってあげるしかない。
ギリギリまでメンバーと一部幹部しか情報を共有しなかったことで、メンバー同士の絆同様、メンバーと事務所の絆をも見せつける会見になった。
活動休止までほぼ丸2年。ファンと密接な別れの時間を作るための時間という以外にも、
「嵐というグループで多くの人がご飯を食べている。多くの企業が売り上げを立てている。巨大マネーが動くグループだけに、ハードランディングはできない。そのための2年間」
と情報番組デスクは見る。
平成から新元号にかけての2年間、嵐イヤーが訪れる。ドームツアーでファンを動員し、嵐グッズがどんどんさばかれていく。CDもDVDもリリースされる。
解散ビジネスができなかったSMAPが、関係各社を潤したりファンとの別れの時間を設けることができなかったのとは対照的に、嵐はファンファーストの旗色を鮮明にし、2020年12月31日に向け突っ走る。
<取材・文/薮入うらら>