セブン-イレブンなどの大手コンビニがシェアを独占する中、独自の進化を遂げ地元で熱烈に支持されるコンビニが福井にあった!
福井市を中心に店舗を構える『オレボステーション』は、できたてのお弁当、お惣菜が買えて広々としたイートインスペースでも食べられ、食堂まで併設されている異色のコンビニだ。
“オレボ”が愛される理由は
経営するのはオレボステーションのほか、福井市を中心に系列店舗を10店舗展開する『大津屋』。歴史は古く、1573年に創業した当初は酒造や酒販業を営んでいたそう。
現社長の小川明彦氏が実家である大津屋に入社して、「酒だけではなく、もっと福井の人たちが喜ぶサービスを提供したい」と福井初のコンビニ『オレンジBOXおおつや』を設立したのが1981年。
'87年には時代に先駆け販売管理ができるPOSシステムなどを導入し、24時間営業にした。
広報の石倉望央さんが言う。
「当時のコンビニ弁当やおにぎりは、工場で大量生産されたものが当たり前でした。でも、お客様は熱々のおにぎりを目の前で握ってもらったほうがうれしいはず。オレボでは製造過程で保存料などを使用していないから、身体にもやさしい。そこで、おにぎりやお惣菜などを店内で製造する『オレボキッチン』をスタートしました」
2004年にはさらにサービスを強化させ、コンビニと店内調理、イートインスペース、食堂などを融合させた『オレボステーション』を開店。徹底した消費者目線と地域に根ざした経営で、なんと大手を上回りコンビニで全国1位の客単価も実現させた。
「特にご好評をいただいているのが、ランチ・ディナーバイキングです。ランチバイキングは、お惣菜の種類に限らず1グラム1・08円+税、ディナーバイキングは1グラム1・29円+税の量り売りで、オリジナルのお弁当を楽しんでいただけます」(石倉さん、以下同)
ランチバイキングを実際に試してみると、リピーターが続出するというのも納得できる。毎日、約30種類並ぶというお惣菜は、店内キッチンで調理されたできたて熱々の料理などが並び、どれもおいしそう。しかも、あれこれ悩みながら容器いっぱいに盛っても500グラムで540円(税別)という安さ!
ちなみに、広報の石倉さんのお気に入りは、だし巻き卵、さばの味噌煮、ポテトサラダ、中華クラゲだそう。たくあんのうま煮やソースひれかつといった郷土料理もおすすめだ。