もしも週刊誌の記事が事実無根だったら!
書かれた人が怒りたくなるのも無理はない。そしてこんな時代だ。出版社に直接抗議するのではなく、SNSで怒りをぶちまけた。
『女性自身』(2月26日号)によれば、2月2日の深夜、東京・新宿二丁目にあるバーで水原希子が『ワン・ダイレクション』のハリー・スタイルズと密会していたという。
実は今回の報道には前段があった。今年1月、イギリスのタブロイド紙がふたりの交際を報じている。それによると、ハリーと水原がお互いにインスタグラムをフォローし、ハリーは水原に会うため頻繁に来日しているのではないかという。
ただし、あくまでも
《来日しているのではないか》という報道だ。
水原は、この報道を受けて、
《彼との交際の事実もありませんし、1度もお会いした事もありません。皆さま、、この世はフェイクニュースだらけ。くれぐれもマスコミには踊らされないように、、ね!》
と、SNSですぐに否定した。
ところが、今回、ふたりがカラオケを楽しむ動画がSNSで公開され、少なくとも交流があることは明らかになった。
記事の“綻び”
これを受けて『自身』の
《水原希子 1Dハリーと密会! 交際否定3週間でラブラブ姿目撃》
となったわけだが、またしても水原はツイッターで否定。同誌記者とのメールでのやり取りを一部始終、載せていることからも、彼女の怒りが伝わってくる。
記事には、
《ハリーと希子ちゃんは肩を組んだりと、終始ラブラブでした。朝方までずっとのんでいたらしく、この日が初対面にはとても見えませんでした》
というファンの目撃証言や、レコード会社関係者の話が出ていた。
水原はツイッターで、新宿のバーでハリーを含む何人かとカラオケを楽しんだことは認めている。しかし、ハリーとはその日初めて会ったとし、お店は貸切だったわけでもなければ、帰宅も朝方ではなく、午前2時半ごろには店を出たという。さらに“レコード会社関係者”のそのほかの証言も全否定だ。
さて、読者はどちらを信じればいいのか。
確かに『自身』の記事にはいくつか“綻び”が見える。
たとえば、バーは貸切りだったと報じているのに、店内のふたりの様子を目撃しているファンがいる。その“目撃したファン”はふたりの姿を見ていたのに、飲み終わった時刻については伝聞調だ。
“レコード会社関係者”が語っている、《水原さんは昔からワン・ダイレクションの大ファン》という話はこれまで聞いたことがない。
そもそも、ハリー以外の知人やほかの客もいる状況では“密会”と言えるのか。
だが週刊誌側にもいろいろ事情があるのだ。
たとえば、情報提供者を守らなければならないため、実際に話を聞いた人をぼかそうと、職業や性別を変えることがある。今回の「目撃したファン」というのも、実は“お店のスタッフ”だった可能性もありえるだろう。
そして、ラブラブに見えたのは、あくまで目撃者の主観。外国人アーティストとおしゃれなモデルのふれあいは、ふたりにとっては日常的なスキンシップでも、はたから見れば友人以上の関係に見えたのかもしれない。
こう見ると『自身』の分が悪そうだが、まだ完全にフェイクと言い切れないところが残っている。
水原の怒りが激しいように感じるのは、彼女が1Dファンの過剰反応を懸念してのことだと思う。本人にとってははなはだ迷惑な話だろうが、これほど話題になったのは、彼女がそれだけ注目されている証拠なのではないだろうか。
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。